新作 ～ 「妖精の結婚式」 その７１

W杯、ついに終わりましたねー。
興味ない方には、やっと、というところでしょうか。

今こうしてる同じ地球のどこかで、
歓喜の絶頂にいる人たちがいる、と思うと
何だか不思議な気がしますね。

さてさて、今日もカエルたちの不思議な話、どうぞお楽しみ下さい。

では、続きでーす。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その７１

　　アタシは・・　と緑のカエルは応えた
　　笛はそんなに嫌いじゃないわ
　　昔見たおじさんたちの　凄かったもの
　　さあさあ雨ノ珠さん　と雨呼ビがにこりと言った
　　良かったら彼を　鍛えてやっては？

＜つづき＞

そう・・ね　と雨ノ珠は目をしばたいた
時間ないんだし　と虫喰ライを見た
徹底的にシゴくわよ　覚悟なさい
ご飯の時間はあるよね？　と
虫喰ライは　悲鳴をあげた

嬢ちゃん　と石護リがゆったり言った
ついでに嬢ちゃんも　小笛をもう少し
この坊主に　教わってはどうかね？
いやまあ　と雨ノ珠の目付きに急いで付け加えた
ちょっとしたコツを聞く程度じゃよ

雨ノ珠はちらっと　草群ラを見た
草群ラはうつむき　笛の手入れをしていた
そうね　と雨ノ珠はぼそっと言った
僕何でも教えるよ！　と虫喰ライは言った
よーしもう一回通すぞ！　と雨呼ビが皆を呼んだ

どうしようかなと　さやかさんは思った
このまま見てたいけど　ずっとやるのかも
ちょっと待って　と雨呼ビに声をかけた
ごめんねあの・・差し入れがあるんだ・・
荷物から　小分けした梅酒のビンを出した

発酵した果物がどうとか　言ってたから・・
と　さやかさんはビンを開けながら言った
実家で採れた梅でね・・お酒に漬けてるの・・
ウメ酒ですか　と雨呼ビが言った
えっ知ってるの？　とさやかさんは聞き返した

ええ　と雨呼ビが言った
ここの方が・・毎年振舞ってくれて・・
雨呼ビは　梅がころんと転がるビンを
しんみりと　見つめた
今年また　お目にかかるとは・・・


＜つづく＞



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変更：2018年8月13日
実家で採れた梅でね・・酒に漬けてるの・・　→　～お酒に～