相続登記と相続人申告登記

町田・相模原の司法書士・行政書士の宮下です。

新聞、雑誌、テレビ、ネットなど、多くの媒体で司法書士の業務に関する記事が掲載されることがあります。

しかし、それらについて誤った内容の記事が堂々と掲載されることも珍しくありません。

ここで問題なのが、新聞等に書かれていることは無条件に信じてしまう方が多いという現実です。

これはお役所や銀行などに対するそれと似ています。

この仕事をしていると疑うことから始めるわけですが（お前だけだ。）、そうでない方の方が圧倒的に多いと思います。

さて、今回もSNSで司法書士の間で話題になっていたので、このブログでも微力ですが社会秩序のために周知させて頂きます。

一般の方々にも関係のある内容になります。

2024年施行を予定されている民法・不動産登記法改正に関するもので、相続登記の義務化等についての記事です。

それがコチラ↓

相続登記の義務化　国民の意識変える契機に （産経新聞.comより）

読んでみてどうでしょうか？

へ～そうなんだぁ。まぁよくわからん。

って感じだと思いますが、この記事には誤りがあります。

それはここ！

はいドンッ！！

これまでの相続登記は相続人全員の戸籍などを集める必要があったが、これを簡素化して相続人の誰か１人の申し出で手続きできるようにした。

・・・・・・してね～(´ー｀)ほんわ～

当該記事を担当した方は相続登記（義務化）と相続人申告登記をはき違えています。

相続人申告登記は、相続登記が速やかにできない場合に便宜上の手段として「相続人であることの申出をすれば相続登記未了による過料を回避できる制度」です。

これは確かに相続人の一人からできるとされるようです。

ただ、これは相続登記そのものではないので、相続登記は別途する必要があります。

上記新聞の記事は間違いです。

なので例えば、相続人の内の誰か１人が相続人申告登記をして、その相続人１人で不動産を売却する、なんてことはできません。

売却するには相続登記が結局必要になります。

上記記事で「相続登記では戸籍等を集める必要がなくなった」としていますが、戸籍等は今まで通り必要です。

ちなに、日本経済新聞（→コチラ）でも、相続登記を相続人の誰か１人からでもできるように新制度が創設される旨の記載があり、これも誤解を与える内容となっています。

おいおい、新聞各社大丈夫か。笑

この辺は専門である司法書士が声を上げていかないといけないんだと思いますが、悲しいかな司法書士の存在は一般の方々にほとんど認識されていない。

新聞やテレビの担当者もおそらく司法書士の存在を知らないでしょう。

変なコンサルタントに聞いたり別の士業に聞いたりして記事を作成していることも散見されます。

逆に言えば、本件のような間違いの軌道修正ができるのは司法書士だけなので、司法書士の存在意義がより強くなっているとも考えられますし、そう考えたいですし、そう希望しますし、もうそろそろお願いします。

とりあえず書き殴ったので読みにくいブログになっていると思いますが、なんにせよ相続については司法書士に相談することをおススメします。

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