秋のこの時季になると話題に上がるものがある。
その一つに江戸時代からの伝承上の生物と言われる「ケサランパサラン」があるが、
その実態は不明で、蒲公英の綿のようなものとか、
成長する白黴の一種などとも言われている。
ほかには巻頭の写真のカガイモの綿という説もある。
カガイモの種が風で飛んでいった後に残った舟形の殻は、
少彦名(スクナビコナ=恵比寿様)が、大国主命の「国造り」のときに、
海の彼方からやって来たときに乗ってきたものとされている。
下の写真は先日参詣した神田明神境内で見つけた、
東京芸大学長、宮田亮平教授の少彦名(恵比寿様)尊像であるが、
やはり小さな船に乗っていた。
少彦名とガガイモとケサランパサランの関係性が面白く、
3年ほどガガイモを見つけるとその写真を撮ってきた。
といっても、なかなか発見できるものでなく、
昨年あった場所には今年は無かったりするのである。
ガガイモの花。
ガガイモはつる性で、数箇所に上の写真のような花を咲かすが、
このうち実になるのは1個か2個程度で、
2個以上育っているのは見た事がない。
ガガイモは実が芋に似ていることからの命名で、
根がサツマイモのようになっているわけではない。
下の写真は10月中旬ごろの実で、秋らしく色づいている。
生えている場所によって成長も異なるが、
日当たりの良い場所では12月はじめには実が割れ、
光沢のある繊維の長い綿が飛び出てくる。
気候などにも影響を受けるようで、綿が十分に生長せず、
綿が飛ばずに実に残っていることがある。
下のカガイモの実は2月1日に撮っているが、
日当たりの良い巻頭のガガイモに比べると、やや小ぶりである。
中には種をつけないで飛び出ている綿もあり、
この辺が飛んでゆくと「種」が付いてないので、
これを「ケサランパサラン」とする人も多いようである。
綿だけが飛んでいくと、当然種は殻に残ることになる。
綿も実も綺麗に飛んでいくと、
下の写真の右側の殻のようにすべすべとした内皮が見られる。
自然のままに美しく残っている殻が、神の舟になっても不思議ではない。
ガガイモの殻が恵比寿様の乗り物であるならば、
繊維が長く光沢のある真白な綿が、
幸せを呼ぶという「ケサランパサラン」と結びついてもおかしくは無いと思うのだが・・・・
で・・・・・
韓国語で「サラン」といえば「人」と言う意味だったため、
知人の韓国オモニに聴いて見た所、「そんな言葉は韓国にはありません」と・・・