二宮尊徳と言えば、背中に薪を背負い本を開いて勉強に勤しむという像。
私の小学生の頃、校庭にこの像があったと記憶。
職員室のほぼ前であった。
写真にあるこの像はとある学習塾の玄関先。
信号待ちで目に留まったので引き返し撮らせていただいた。
句材になりそうな気がしたからだ。
時は早春、早春と行っても時折小雪が散らつく日でもあった。
雨にも負けず
風にも負けず
という宮沢賢治の詩が思い出された。
私の子供の頃に父がこう言った。
「オヤジは読み書きが好きで小さな紙の端くれも拾って読んでいた」
「貧しい百姓の子だったから勉強がしたくても出来なかった」
明治時代の話になる。
「とうちゃんとて同じこと」
大正時代の話になる。
信号待ちで何度かこの尊徳像を目にしてハタと気が付いたのである。
尊徳さんの読んでいる本は石の本。
「紙」でも「電子本」でもない。
石像なのだから当たり前なんだけど^^;
で、句にするにはどんな季語を斡旋するかだナ。
これによって随分意味合いが違ってくる。
学習塾の前で学びの姿勢を象徴している尊徳さん。
季節は3月になっていた。
塾生たちのこの先の分かれ目でもある。
そこで塾生たちの未来を思って「春うらら」としたのだった。