=くまたんの不思議な時間旅行=
パート2(ちょっと桃色遊戯編)*****
時は一日遡った深夜

街は静かな眠りについています。
ゴーーーと爆音と共に、眩しいピンク色の煙を噴射して
巨大な飛行物体が着陸しました。
それは艶めかしい唇型の形をしていました。


静寂を破る閃光

眠りから覚めた人々は一斉に外へ飛び出しました。
しかし、遠く丘陵にわずかに光が見えるだけです。

何事もなかったように静寂を取り戻したのでした。
*******
街のメインストリートを歩くまたん。

目に入るすべてのものが物珍しく
華やかで煌びやかで活気が溢れています。
「まずはとうちゃんの靴を買わなくちゃ」

何軒もの店を回りましたが
「その様なお色は置いておりません」の返事。
がっかりして肩を落としてトボトボ・・・・・

すっかり疲れてしまいました。
「お昼ご飯を食べて一休みしよう」
しばらく行くと、マグドナルドが目に入りました


しかし、くまたんはファストフード店は初めて。
注文の仕方がわかりません。

緊張で思わず両手を腿のあたりでパタパタ

もじもじ、せわしなく手が顔にいき、汗ばんできました。

ぐぅ~。お腹が鳴るし喉はカラカラです。

その時、先ほどの家族が入ってきました。
まさに天の助けとはこの事。

楽しいひと時はあっという間に過ぎていきました。
くまたんは森の住所を書いて渡しました。
願いを込めて・・・・・「また逢えるね」

******
くまたんが忘れたサインペンがテーブルに転がっています

「これは・・・ジョニーの・・!!」

ジェリー爺には見覚えのあるサインペンでした。
「このペンは確かに私がジョニーに渡したペンだ」
あわてて後を追うジェリー爺

数メートル先にくまたんが歩いています。

その時、ジェリー爺の体をかすめ、けたたましいブレーキ音を響かせて急停車。
ドアを開くと、くまたんの腕を乱暴に掴み、車の中に引きずり込ん込みました

立ち尽くすジェリー爺。
男の本能を呼び覚ますかの様な魅惑の香り

グラマラスな女性が微笑みかけました。
優しく柔らかく、そして熱い吐息を吹きかける


そして、くまたんに自分の唇を重ねました。
ここはどこだろう?
ぼんやりとした頭が次第に目覚めてきました

思わずパンツを確認し「無事か????」

目の前に女性が全裸に近い姿で
誘う様な淫らな姿で見つめています

「目が覚めたようね。二人で熱いシャワーを浴びましょう」
「私はエリーズ。あなたと私の官能の旅の始まりよ」


あなたの事アルバートと呼んでいいかしら?」
青縞のパジャマを手渡し、両手で顔を挟みました。
「これに着替えるのよ。でもパジャマは必要ないかしら?」

一糸纏わぬ姿でシャワールームへ消えました。
「いけない。逃げなくては」
“ぶるるん”と身震いをして我に返るくまたん

あたりを見回し逃げ道を探します。
ドアは開きません。

逃げ道は飛び降りるには高すぎる窓だけです。
思い切って窓から“ひとっ跳び”
「wawawaーーーーーーo!」


くまたんは走りに走りました。

こんなに走ったのはいつだっただろう。
地下鉄のホームだったか

背後から“カッカッカッ”と靴音が聞こえてきます。
鬼のような形相のエリーズが追いかけて来ます

その時!くまたんにハイヒールを投げ付けた!

命中ならず。
目の横をかすめました。

「ダメだ・・・・捕まる。」

絶体絶命かと諦めかけた時、目の前にジェリー爺が現れました
「くまたん!こっちだ!」

そして、スキッパーが追いかけてくるエリーズを
スコップで叩いた


もんどりうって転がるエリーズ

「やった!。やった!」


悔しがるエリーズを残し、大急ぎでその場を離れました。


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道端に倒れたエリーズは悔しさのあまり
手にした小石を砕かんばかり握りしめました

「大丈夫かい?」エリーズは声をかけられました。
4人の子供を連れた山羊ひげさんが立っていました。

「その足では歩けないだろう?送ってあげよう」

山羊ひげさんは背中に乗せて家まで送って行きました。
「うんしょっ!うんしょっ!」

優しい山羊ひげさんに心を打たれたエリーズでした


ちっとも似てない・山羊ひげピット
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その夜くまたん達はホテルの部屋に居ました。
くまたんはハイヒールが当たった右目の横が×の傷になっています。
「くまたんはジョニーに違いない」
もうそれは確信より事実でした。
ジェリー爺は今までの事の経緯を話しました。
しかし、森での暮らししか記憶にありません。

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翌日、くまたんの為に否、ジョニーの為に皆で靴を探す事にしました。
やはり・・・見つかりません

それなら白い靴に絵を描くことにしました

くまたんは絵を描くのが得意だったのです。
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「くまたんと森で暮らそう」

森まで付いていくことにしました
バス停で森へ帰るバスを待つ5人

そこへエリーズの車が停まりスーっと窓が開きました。
エリーズのくちびるが開き・・・・・・

To be continued