東京電力は、今日20日、
2008年度から当面の間、全管理職(約5000人)の
夏・冬の賞与を10%減額すると発表しました。
大きな会社ですから、
これで年17億円の人件費削減となそうです。
新潟県中越沖地震で
柏崎刈羽原子力発電所が全面停止した影響で、
2008年3月期は950億円の連結最終赤字を計上する見通しになり、
28年ぶりの赤字転落を踏まえてのことです。
役員報酬はすでに11月から10~20%カットしている
とのことですが、
950億円の連結最終赤字で、
この程度は甘いという声もあります。
一般社員やさまざまな人件費がほかでどう削られているのか
あきらかにはされていませんが、
28年ぶりの赤字転落で経営陣が責任をとらなかったら、
大変な騒ぎだと思います。
企業というのはだいたい、上から順に給料が良いものです。
そして経営難に伴う責任も上から順番に大きいので、
人件費削減も上から順にやるのが筋かもしれません。
本当は経営難になんかならない方がいいに決まっています。
しかしそうなってしまったとき、
どうするのか?
日本の企業はそこいらへんは実にファジーですよね。
話がこっちへきて、
やれやれ、しつこいな、と思うかもしれませんが、
外資系の真似をして成果主義を導入しても、
外資系みたいに、経営者は辞めないし、責任はとらないのは、
ごくごく庶民感覚で不思議です。
日本国民のほとんどが、安倍さんの引き際の悪さに
呆れたのはごく最近のことです。
これからも、日本人は本来
「リーダーが責任をとる」
ということを、道義的に、大切にし、
何よりもリーダー自身が、
それを自覚してきたはずです。
責任をとる経営陣とそうでない経営陣。
どちらが、優れた経営陣なのでしょうか?
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追記
他のケースで、
いちばんわかりやすい、
知名度のある方ということで、
日産自動車のカルロス・ゴーン社長に対する風当たり
が記憶に新しいです。
2007年3月期に社長就任後初の減益となり、
この責任を取って株主総会で常勤取締役の賞与をゼロにする
などの策を示しましたが、
株主からは例年とは違って厳しい質問や指摘が相次ぎ、
「辞任要求」まで飛び出したとのことです。
このときの総会では、
「2006年度は、役員賞与を支給する提案はいたしません」
と、
賞与をカットすることで経営責任を明確化したい考えを示したにも関らず、
役員報酬がトヨタよりも多いことから
「(賞与ではなく)報酬も減らすべき」
との声が上がったときには、会場から拍手がわき起こったそうです。
経営者=成功者
とみなされることが多いですが、
この変遷する時代では、
ちょっとした情勢の見誤り、方向性の間違いで、
勝ち負け、明暗は大きく変わります。
報酬も多く、ステイタスも多いけれど、
それと同じだけの能力と実績を要求されているのが
経営者といえるでしょう。
経営とは、経営者とは、本当に思い責任を負った仕事なのだと、
強く感じるエピソードでした。