WIND BENEATH MY WINGS

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ノーカントリーの原作、凄く面白いよ。

2008-04-13 13:15:52 | 読書感想文
ご存知、今年度アカデミー賞受賞の
問題作、コーエン兄弟の「ノーカントリー」
の原作です。

原題は、“NO COUNTRY FOR OLD MEN”

これは、壮年の保安官さんの
「この国は、俺たち年寄りが住めるような国じゃない」
というつぶやきのように感じます。

著者は、純文学で知る人ぞ知るだった方とのこと、
そしていきなりこのような超一級のクライム小説(?)を
書きました。

物語は、1980年のアメリカ南部。
ベトナム帰還兵である溶接工のモスが、
麻薬取引現場で相打ちになったと思われる凄惨な現場から
240万ドルを持ち逃げすることがはじまり。
当時でいえば約3億円。
人生が変わるお金を手にした彼はそれでも
死にかけた麻薬の売人(?)に、
情をかけ、飲み水を持っていったがために、
サイコパス暗殺者・シュガーに追われる身になります。

映画ではこのシュガー役が、
「吐き気がするほど怖い」
と評判でした。
小説で読んでも吐き気がするほど怖いです。
どういう怖さかは、言葉では書きあらわせません。

そして映画はみていませんが、
この作品に深みを与えているのが、
モスとシュガー追う壮年の保安官ベルの独白です。
(映画ではトミー・リー・ジョーンズが好演のようですね。
私のイメージではクリント・イーストウッドでした)

とにかく、この小説に関しては、もう読んでくださいとしか
言いようがありません。

「現代社会の持つ病根」などという、
ありきたりの言葉では
表現できない底なし沼的な感覚があります。

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