私の見栄ってこういう表れ方をするのか。フーン。しかし見栄というものは世間がないと生まれないものである。あれ程私の一生、自分は世間になるまいと腹を固くふんばって来たのに、自分の中に世間が埋蔵されていたのだ。困ったことだ。私の肝は世間に負けた。路地を私はうつむいて歩いていた。
私は、老人になってせめて姿勢だけは良く歩こうといつも思っていたら、ある日道でばったり知り合いに会った。
「あなた何いばってふんぞり返っているの」と知り合いは云った。世間はむずかしい。
もう亡くなってしまったけれど、佐野洋子さんが好きだ。
生き方があまり上手でなく、嘘がつけない人という印象がある。
この人のエッセイを読んでいると、時々自分と重なって切ない気持ちになる。
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