「夫婦の仲がうまくいっていない友達の話とか聞くとね、結婚する意味ってなんだろうって時々思うんだよね。聡子おばさんのことがあってからは、よけいにそう」
「意味・・・とか言われるとお父さんもよくわからないな。ただ、家族になった人間とは、いろんな局面を共有できる凄さがあるぞ。人生においてこれ以上嬉しいことないっていう局面とか、これ以上ないっていう悲しい局面とか。自分の人生のダイジェストを辿った時に、必ずその場にいる人間ってのは貴重だぞ。」
最後まで添い遂げるものと信じていた夫が、突然別の女を愛して家を出て行ってしまう。家も預貯金もすべて持って出て行かれた妻はその時67歳。
衝撃の出来事だ。
主人公を取り巻く登場人物それぞれに存在感があり、あっという間に読み終えてしまった。
夫婦とは、親子とは、そして家族とは・・・。考えさせられる一冊だ。