穂村: 以前、〈オルゴールが曲の途中で終わってもかまわないのだむしろ普通〉という歌を作ったことがあってさ。
死について考えたら、そんな気がしたんだよね。
春日 :いわゆるゼンマイ式のやつね。巻き切れると曲も途中で止まってしまう。
穂村: うん。曲がちょうど終わったタイミングでゼンマイが切れるということは、まあないよね。大抵は、次の曲がちょろっと始まってしまったくらいのところでプツンとか。
逆に、もうちょっとで曲終わる、というところでプツンとか。
人生もそういうものかもな、って。映画のようにさまざまな伏線が回収されて、すべてがキレイに丸く収まった状態で死ぬことはまずあり得ない。
だから「もうちょっと早く終わっていたらキレイだったのにね、残念」みたいなこともあり得る。
死についての考察を三人がとてもフランクに語り合っている。漫画も挿入されていて面白い。
人生がゼンマイ式のオルゴールって、なんかものすごく納得したな。
穂村さんの歌も、ストレートに胸に届く。ちなみになぜこのタイトルかは読めば分かる(笑)。