旅の途中で

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プラド美術館展

2006年10月09日 14時25分33秒 | アート
昨日は昼間に携帯から投稿した通り、天王寺の大阪市立美術館で「プラド美術館展」を見てきました。
さすがに休日だけあって、待ち時間は40分・・・。
まあ、実際には20分くらいで入れたので、そんなに待たなかったんですけどね。

作品はとても見ごたえのあるものが多くて、はっきり言って期待以上(笑)かなり良い展覧会でした。
16~18世紀の作品ばかりだったので、宗教画・肖像画がほとんど。
あまり宗教を持たない日本人にはなじみのない題材が多いけれど、作家達の真摯な眼差しが感じられて、見たままに素直に感じられた。

入ってすぐ、エル・グレコの宗教画が何点かある。
本当にこの人の描く宗教画は、深い色使いといい表情といい、とても愛情に溢れている。
独特のタッチや丸い目は、見る者を絵の中に吸い込んでしまいそうだ。

ベラスケスの作品も結構あった。
ベラスケスといえば、皇女マルガリータの肖像画が有名だけど、私はこの人の作品の中では道化師を描いた作品が好き。
宮廷の中でも重要な位置を占めていたという、ディエゴ・デ・アセドという道化師の絵を何枚か描いているんだけど、どの絵も気品とプライドに溢れた素晴しい作品だと思う。

実際、昔の「道化師」というのは、貴族や王族にもずけずけと物を言い、時には助言者ともなっていた存在だったらしい。
ベラスケスの描く道化師には、貴族や王族の肖像画以上の気高さがあるのです・・・

もう1人スペインを代表する画家と言えば、ゴヤ。
今回、展覧会の中で一番楽しみにしていた画家だ。
残念ながら、私が一番好きな晩年のドロドロに暗い作品は来てなかったんだけど(この人は晩年には精神を病んでしまっていたのです・・・)、すごく衝撃を受けた肖像画に出会えた。

「アブランテス公爵夫人」という作品がそれ。
注釈には、美声の持ち主ながら、内気で控えめな女性だったと書いてあるんだけど、この絵を見るとゴヤがこの人をとても好ましく思って描いていたのがよくわかる・・・
頭に花輪を被って、手には美声の持ち主であることを暗示する楽譜。薄い水色のドレスが爽やかなイメージを与えてくれる。
顔も、どこまでも優しく可愛らしい雰囲気。
本当にすごく素敵な肖像画です!

今回、ゴヤは肖像画がほとんどだったんだけど、一点だけ非常に私好みの暗い絵がありました(笑)
「魔女の飛翔」という作品。
真っ暗なバックに、3人の魔女が男性を抱えて宙に浮かんでいる。というなんとも不思議な作品。
不思議さ、怖さをかもし出していて、見ていると不安な気持ちになってくる。
特に、昔のヨーロッパでは魔女って忌み嫌われて火あぶりにされる存在だったんですよね?だから、余計に怖い・・・
まさにゴヤです・・・

その他には、オランダ・フランス・イタリアの絵画も来ていた。
ルーベンスや、ファン・ダイク、ブリューゲル、ティツィアーノ等。

それと静物画。
植物や果物を描いた静物画は、瑞々しくてまるで本物のよう。
この時代の静物画ってすごく好き・・・やけにリアル出し、ご丁寧に花に群がる虫まで描いてるし(笑)

10月15日までなので、もうすぐ終わっちゃうけどとても素晴しい展覧会でした!

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これから行きたい展覧会

ルーブル美術館展
ちょっと微妙な気もするけど、せっかくなので行ってこよう。11月まで。

オルセー美術館展
これは行きたい!ゴッホが来るというだけで(私にとって)行く価値あり!
ゴーギャン、マネ、モネなど、みんな大好きな印象派が来るので、絶対楽しいと思う。来年1月まで。

ロダン展
嬉しいなー♪ロダンの彫刻大好き!普段あまり彫刻は見に行かないんだけど・・・ロダンは大好き。来年の春から公開。

ブリュッセル王立美術館展
これ、イチオシ!私が今まで行った事のあるヨーロッパの美術館の中でも、かなり好きな美術館。
そこの作品と、また再会できるなんて嬉しすぎる~~!
マグリット、デルヴォー、アンソールという、ベルギーを代表するシュールリアリズムの作家が来ます。
あとブリューゲル!「イカロス」が来るみたい!これすごく良い作品です。
来年の春から公開。

えーっと、全て神戸や大阪・京都の美術館で開催される期間を書いているので、関西圏以外の方は参考にされないように注意して下さい(笑)