旅の途中で

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金子みすゞ展

2011年03月29日 22時09分28秒 | そのほかのこと
クレー展を見に行った日、同じ京都の大丸ミュージアムで「金子みすゞ展」が開催されていたので、行って来ました。

あまり詩の世界に詳しくない私は、彼女の事も名前を知っているくらいで興味があった訳ではないんですが、一緒に行った友達が招待券を持っているというので、せっかくだからと行って来ました。

行って良かったです。
こんなに素敵な詩を書かれる人とは思いませんでした。

最近CMで話題になっている、「こだまでしょうか」の影響もあるのか、会場は予想以上の混み具合でした。

金子みすゞの詩からは、いっぱいの優しさが溢れていました。
人に対する優しさだけじゃなくて、植物や魚や石ころに対しても暖かいなまざしを注いでいるんですね。

彼女の人生を見ると、結婚に関しては決して幸せではなかったようです。
家の商売のために家の決めた男性と結婚したけれど、夫は浮気はするわ、みすゞが詩を書くことを禁止するわ、離婚できたと思ったら子供を取り上げようとするわ・・・

そして結局みすゞは、26歳の若さで自ら命を絶ってしまいます。
あー、思い出すだけで腹が立つ


会場に展示されていた詩の中で、私が一番感動した詩です。

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「つゆ」


だれにもいわずにおきましょう

朝のお庭のすみっこで

花がほろりとないたこと

もしもうわさがひろがって

はちのお耳へはいったら

わるいことでもしたように

みつをかえしにゆくでしょう

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なんて繊細すぎる詩なんでしょうね・・・
思わず涙がじわじわきました。