ロドス島の薔薇

Hic Rhodus, hic saltus.

Hier ist die Rose, hier tanze. 

要約版への序言(3核兵器と外交政策)

2012年08月10日 | 核兵器と外交政策

要約版への序言(3核兵器と外交政策)
〔2012/08/09 19:48〕

『核兵器と外交政策』がはじめて1957年6月に出版されたとき、私たちがこんな恐ろしい不安とともに生きている政治的な世界に関するアメリカ人の思考に直接的で深い衝撃を与えた。将軍たちと政治家らはそれを学び、下院議員たちは国会議事堂で同僚に読み聞かせ、そして十分に普通の市民が、十四週間もベストセラー・リストに載り続けたこの本の、その長くまたしばしば理解困難なページを熟読した。アメリカの外交政策に及ぼすこの本の影響の十分な範囲について判定するには早すぎるけれども、なぜ「核兵器と外交政策」が、国内および国外ともにこれほど深く感銘を与えたのか、私たちは少なくとも推測することはできる。

第一に、多くのアメリカ人が感じ続けていた、とくに、私たちの大量報復おける私たちの信頼についての我々の戦後の諸政策と失敗の、その不安と危惧を、私たちの合理的な政治的目的を達成する上での私たちの巨大な能力を使用することについての無能力と、私たちの兵役との矛盾について、非常な明確さをもって、はっきりと表現することに、それは成功している。
第二に、この本はおそらく、核技術と軍事的戦略の理解を政治的問題に応用しながら、軍事力と外交政策との間の相互関係の示しながら、戦後世界を包括的に調査した最初の本である。読者はキッシンジャー博士のなかに、私たちの政策におけるあやまった想定と矛盾の多くを切り開くことに成功し、核時代の諸現実についての新しい概念を提起した一級の知性を発見した。                                                                                                                     第三に、希望的な観測に欠けているとはいえ、熱核兵器の破滅の選択と、ロシアによって少しづつかじりとらつつある死に至る予想との間の筋の通った方法を示すことによって、この本はまだ希望があった。それは、何がまちがっているかを明らかにするだけではなく、どのように私たちの政策が正しく設定されなければならないかについての考えに富んでいる希有な仕事だった。


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