一昨日孫の世話をしながら国立新美術館で開催中のルネ・ラリック展を見た。三歳の孫は途中で寝てしまったのでだっこをしながら約一時間見て回った。既に14キロを超える孫を抱えての鑑賞はさすがにこたえたが、それでも心惹かれる作品があったので重労働の甲斐は十分にあった。
国立新美術館の説明を引用すると。
「ルネ・ラリック(1860-1945) アール・ヌーヴォーのジュエリー制作者、アール・デコのガラス工芸家として、二つの創作分野で頂点をきわめた人物として知られています。1900年のパリ万国博覧会、1925年のアール・デコ博覧会で国際的な脚光を浴びた。」
彼の作品は、初期はアクセサリー類制作でそれからガラス工芸へと移る。しかし初期のアクセサリーの方に見るべき作品が多い。花びらをかたどった初期のブローチに比べると後期のガラスの噴水はどうかな。ガラスそのものの印象が強く、透明なガラスでは造形的な美があまり訴えてこない。それ以外にも多くのガラス製品を作っているが私には退屈だった。それに比べて初期の作品、特にポスターに使われている作品はガラスに淡いマットなオリーブ色とゴールドで花びらが造形されており大層美しい。私だけの印象ではないようだ。目につくポスターはすべてジュエル作品であった。
大きな造形もの、産業的なものに移っていった彼の心情は不明だが、そのままジュエル作家として豊富な作品群を残して欲しかったな。
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