まさおレポート

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一瞬の 記憶とも呼べない断片

2007-07-17 | 心の旅路・my life・詫間回想
日常生活や仕事のふとした一瞬にほんのかすかだが非現実的な記憶がよぎることを経験することがある。あれと思い返した瞬間その記憶の断片はどこかに行ってしまい、それが何であったかわからないことが多い。したがって今もその断片が何かを分かって書いているのではない。記憶の断片を感じたという「感じ」の記憶のみがある。

そうしょっちゅうあるわけではない。回数にしてひと月に一回あるかないかだろう。あるいはもっと少ないかもしれない。何もしていないときなどは徒労と分かっていてもその記憶を追いかけることがある。しかしもともと形がはっきりしているのではないから追跡は不可能だ。

私は仮に記憶の断片と呼んでいるが厳密には記憶ではない。現実に過去に起こったことではないからだ。なにか言葉にならないイメージといった方が正確かもしれない。そしてそれは繰り返して現れる断片にちがいない。違いないと言うひとごとのような表現になるのは断片がまるで思い出せないからだ。その断片に遭遇した時に以前に経験した断片だと感じたその記憶のみがあるからだ。

これは夢の断片にやや似ている。朝起きた時に昨夜見た夢を覚えているが、起き上ってトイレに行ったころにはすっかり忘れている。しかし夢を見たという記憶のみが残っている。そうするとあの日常生活のなかにほんの一瞬顔をだす断片は夢の記憶の断片だろうか。

パーソナルコンピュータで作成したファイルの消去やディスクの整理を行うことがある。大切な写真やドキュメントを間違えて消去してしまいあわてることがある。
しかし厳密には消去されていない。索引のない図書館のようになっているだけで引き出せないだけだ。

捕まえどころのないその記憶の断片は単に現実世界の出来事という索引の切れたものだろうか。そのように合理的に考えすぎてもあまり面白くない。

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