ガーデニングの極意、があるかどうかは知りませんが、ワタシにとっては外に出て「自然」と一体化することにあります。暑い日も寒い日も、陽がさしたり雨が落ち、風が頬を撫でていく、その中で植物と土を触る、それこそ園芸そのものではなかろうか、と思うのです
そこで登場するのがほとんど害獣・害鳥と言える野鳥たちであります。蝶や虫なら花について花粉を媒介するという大事なメリットがあります。しかし野鳥は①うるさく鳴く ②糞を落とす ③野菜の新芽若葉をついばみぼろぼろにする ④果物を突き食べてしまう・・・といった害ばかりが目立ち、ガーデンに恩恵をもたらすことはほとんどありません。
空気銃で打ったり、カスミ網で捕獲したり爆竹などで追い立てるなど物騒なことはできません。鳥を追い払うだけなら長い竹竿を振り回したり、圧縮した空気や炭素ガスを吹きかけるという手はあります。これを「鳥にガス(取り逃がす)」と言いますな(笑)。
そもそも、彼ら(彼女たち)は自然の一部なので「共存」しなければならない、と考えるのです。なので、彼らがいても知らんぷりして野良仕事を続けるようにしております。ただ、ワタシのいないときに畑を荒らすのをやめさせることが出来ればいいとは思っていて、ビスケットを割って畑に撒き、食欲を満たしてやるという非科学的な行為をしております。
さてそこで、やってくる鳥の種類ですが「カラス」は除外します。あいつらは人間社会に従属しゴミを漁って食い散らかしている動物で「自然」とは一線を画します。必ず人が住むエリアに出没するのです。おそらく人里離れて暮らしていけないと思います。
大きい方から順番に「ヒヨドリ・イソヒヨドリ・ハクセキレイ・すずめ・メジロ」というのが常連であります。彼らが、ワタシをどう考えているのか、そこを聞いても答えませんが想像するに、彼らにとっても「自然」の一部だとみているのではないかと思います。そばに来て追っ払うでなしかといって手なずけるわけもなし。ただ気まぐれにビスケットを撒くので「食い物を供給する生き物」で害はない、という認識なんだろうと思いますね。
というのも、野生の鳥たちがワタシを見ても近づいてもほとんど逃げようとしないからであります。先日驚いたのがワタシの仕事場の上、屋上の階段で側の電信柱に留まった「イソヒヨドリ」こいつは、ワタシが2mくらいまで近づいても、じっとこちらをみたきりで逃げようとしないのです。野鳥ですよ。手を延ばせば届くような距離でも、こちらを危険な個体と思わない=顔などで個人を認識している、としか思えないのです。
地表ではこんな姿のイソヒヨドリ。普段は河川や海のそばに生息して、砂の中にいる小動物や小魚を捕らえて食べるようですが、この子は、どうもワタシの仕事場の周辺がお気に入りの様なのです。(ひょっとすると、屋上のメダカたちも食べられているかもしれません)
一年を通じてやってくる主たちが「ヒヨドリ」であります。
こいつらは、イソヒヨドリに比べるとだいぶ警戒心が強く、ワタシのそばには寄って来ません。寄って来ませんが、隠れて遠巻きに眺めているようなのです。ビスケットのかけらを放り上げると、パッと飛んできて空中でくちばしでキャッチします。手渡しとはいきませんが、それでも投げたものを受け止めるために待機しているのですからたいしたものです。
ヒヨドリは、白菜・キャベツ・ブロッコリーなどの葉物の若葉をつつき、食い散らかすのです。また枇杷・柑橘・いちじく・柿などの果物も大好きなので油断ならない相手であります。食べごろになった果物は果樹全体をネットで覆うようにしていますが、それでも潜り込んで荒らしていきます。本音は捕まえては根を毟り焼き鳥にしたいところなんです。殺生を好まず、自然と一体化を志すこのワタシは、なんとかヒヨドリたちと折り合いをつけながらガーデニングを続けております。どうやら鳥たちはワタシをなめているようです。やっぱり鳥にガスでも吹き付けて追い散らした方がいいのかなぁ。
毎日様子を見に来る雀たち、そんなワタシをどう見ているのでしょうかね。