ワタシは基本、中国が嫌いです。当然中国人も嫌い。例外的に好きなのはチャン・ツィイーさんくらいのものです。
ワタシだけではありません。最新の調査によると、中国人は日本人に対して9割近い人が「嫌い」だそうです。一方で中国人を嫌いだと思う日本人も増加傾向でやはり90%程度の日本人がそう思っているのだからどっちもどっちです。
日中国交正常化時初めてパンダが来た時から、ほぼ一貫して日中の国民感情は悪化の一途をたどりました。それは、中国人が露骨な領土拡充主義・世界覇権主義をとり、日本に対しても尖閣諸島問題で、日本の領有地を不法占拠しているせいもあるでしょう。東西冷戦下でお互い仮想敵国と考えてきたことも大きいです。日本人が中国観光したり、中国人観光客が大きな声で傍若無人にふるまうのを快く思わない日本人が沢山います。
それでも、ワタシにとっては書道・篆刻というライフワークの起源が中国であり、書を習うべき文人書人の多くが中国人であるために、その種の方々は尊敬しております。篆刻で言えば「趙之謙・呉熙載 」の摸刻を続け、鄧石如 ・呉昌碩の書を臨書しています。
もっと言えば、中国の篆刻の巨匠である呉昌碩さんの印が欲しい、印譜も欲しい、と思っていました。そんなものは博物館や美術館に収蔵されているレベルで、ヤフオクには滅多にお目にかかりません。真正のものなら安くても数十万円、そんな偉人の作などワタシの手に入るはずも無いのです。
そしてそのヤフオクであります。先日例によってランダムに篆刻関連の出品物を物色しておりました。そこで発見したのが「中国美術 旧家蔵出し、印材三件」でありました。他には売り出し文句も説明もありません。付属品朱塗りの蒔絵箱に大型の古印三個が出品されていたのです。ワタシはこう見えて印材だけは千本以上所有しており、中にはそれなりの篆刻家作の印や、三宝といわれる高価な石質の石も少し持っております。何より1年近くヤフオクの篆刻印の出品物を毎日チェックしているので、素人ながら目が肥えています。
その三個の印はおおぶりで、側款が施されておりました。よおく拡大してみると、一つの丸い屋根のような紐がある印には「上虞 徐三庚作 癸酉仲月」
」と彫られているのでした。これはもしかして、中国清朝末期の代表的な篆刻家の徐三庚(1826-1890)さんの名前ではないか。浙江上虞 の出身です。60年刻みの癸酉は1873年にあたります。非常に装飾的な篆書体7文字が陽刻で彫られていました。(字は調べて解読しないとわからない💦)
更に、もう一つの角印(半透明の凍石)の天井部分には漢詩らしき文が刻まれ 最終行には「呉 昌碩 」と刻まれているではありませんか!?。呉 昌碩 (1844-1927)は中国書道の近代化に貢献した最も有名な書道家なのです。側款には書の代わりに4面とも、松・竹・春蘭など植物の絵が彫られています。まさか呉先生の篆刻印が紛れ込んだか?そんな馬鹿な。
残りの一個は、古色然とした寿山石らしき古印で、ちょっと見たことのないような精緻な紐でありました。「寶墨堂」と印面に彫られ「龍其」の文字が読み取れました。これはちょっと調べてみないことには何ともわかりませんが、石材としても紐をとっても一級品に見えたのです。
これが、意外なことに最終日になっても「ウオッチ」している人数が4、5人でありました。注目されないのは「大して価値が無い」かタグや検索ワードが乏しくてヒットしないかであります。謳い文句には前述の名前も無ければ田黄などの印材の表記もない簡素なものでしたから、大勢の人の目に触れなかった可能性があります。とはいえ、オークションは最後の10分が勝負、「評価ポイント」が千を越える猛者や専門の美術商、中国人、篆刻印愛好家などが鵜の目鷹の目でチェックして参戦するので、おそらくこんな見たこともないラインナップの3個ならば十万円越えになろう、指をくわえてみてるしかない、と諦めていたのです。
夜10時前になっても1万円位の入札しか入らず、えいままよ、と思い切って3万円!!(ワタシのヤフオク入札はこれ以上は禁止)を入札したのでした。もう一人の方(評価4641)が何度かじわじわと値段を上げて2万円を超え、これで他の人が参戦してきて一気にガンと上がるかとおもっていたら、24千円で停止、なんとそのまま「終了」の表示が出ました。
これまでも、1.2度ありました、せっかく落札した💛と思ったら、0円と表示され出品取り消しとなることがあります。出品者さんの皮算用(見込み金額)を大幅に下回ると取引を打ち切ることが出来るのです。
しかし、そうはならず「おめでとうございます!あなたが落札しました。」と表示されたのです。バンザーーーイ
以降は明日に続きます
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