せっかく、冬をうまく乗り切った非耐寒性の植物をあらかた外に出し終えた矢先に週末は冬に戻るなどの予報が出ております。また、室内にしまうのかと思うといささか気が重くなります。
待ちに待った今年のバラ達、蕾が揃ってまいりました。若干フライング気味で咲いたのが、カリフォルニアドリーミングとリオサンバ、ヘンリーフォンダでした。ピース、ダブルデライト、ヨハネパウロなど当園の主役級の薔薇もまもなく開花です。
今年のニューフェイスが、「イングリッドバーグマン・ブルーリバー・モダンタイムズ・シャルルドゴール」の5本、いずれも訳ありとかアウトレット苗とか言われる安い千円以下の苗です。一年苗のひょろひょろですがいいんです。ワタシの手にかかればあと2年で、立派な株になります。こう見えてワタシは現役の頃は、債権回収や担保不動産処理など渋い業務に携わっておりました、「最終処分場・再生工場」などと呼ばれたりしてましたな。傷ついたり問題がある植物などをよみがえらせるなどの、汚れ仕事・裏方仕事は得意なのです。
一週間ほど前からアゲハが飛来しております。果樹も大きく変化が出る季節でもあります。まず、柑橘類は、不知火・レモン・はるみなどに加えて昨年植えた「はれひめ」「はるか」にも花蕾がつきました。要注意はレモン、開花時期にはたっぷり水をやって切らさないようにしないと落果します。ほかの柑橘は、出来るだけ摘果して株の充実と、果実の肥大化を優先します。更に、一か月もしないうちに、殺虫剤も撒かなくてはなりません。アゲハの幼虫と、ハモグリムシ(エカキムシ)を防ぐのです。
それから、ブドウです。ここにきて一斉に若葉が芽吹き始めました。シャインマスカットとロザリオビアンコ・甲斐路が当園のブドウ苗、いずれも欧州系で、雨天を嫌がる品種です。土中から舞い上がる埃に隠れたウィルスは、雨に混じって葉っぱにうつります。ぶどう棚のワイヤーから、枯れたひげつるにも樹皮の間にも潜んでいます。葉っぱが生えそろうと、それは青々として見事なのですが、気温が上がり梅雨時期になると、あっというまに黒糖病が蔓延します。今からしつこく防除しなければなりません。
昨日、今年2回目の殺菌剤散布を行いました。すでにバラは春先に続いて2回目の散布がすんでいます。風のない曇りの朝を選んで、ブドウつる・葉、ニンニク・玉ねぎも消毒します。
ネギの仲間は、やはり5月頃に「赤さび病」が発生します。小さな明るい赤い斑点が出て放置すると周り全体に広がって、枯れたりします。こうなると球が大きくなる前に収穫するので、出来が悪くなります。昨年末には土中に殺菌剤を撒いてはおりますが、居なくなっているわけではないので病気にかかる前に何度も殺菌するのです。
以前から肩から下げる4L入りの手動噴霧器を使っています。電池式のものもありますが、こんなものは信用できません。水を扱うのに電池はなじみませんし、重くなります。すぐに故障します。園芸・農業関係の電子機器や電気製品の安いものは中国製で、ほとんどが一年もたないです。面倒でも手押しでシュコシュコが一番。
使う薬剤は、5種類ほど用意しています。防除すべき植物や病気に応じて使い分けしたりいくつか混ぜて除菌カクテルにしたりです。こう書くと、専門的ーーみたいな感じですが、細菌・ウィルスによって有効な薬剤が異なるので、適当に色々混ぜて、「どれかは効くだろ」というテキトーなやり方なのです。菌によっては薬剤に耐性が出来るので、いくつかの薬剤をローテーションで使うのは非常に大事なのです。
こういう作業は、通常ケミカルマスクと帽子・専用ゴーグルを使うように指導されます。多分、殺菌剤は目に入ったりすると刺激がありかゆみ痛みが生じることはありそうです。しかし、1時間程度の作業で、出来るだけ息を止めながらやるので、なにもつけません。衣服に付くのはむしろ歓迎ですね。そうです、もしかしたらコロナウィルスの感染を防いでいるかもしれないのです。消毒液を体にまとうことは決して悪くないです。混合殺菌剤のどれかが、効き目があると確信しています。
これから、秋の収穫まで何度も殺菌剤を散布します。1度で大きな効果が期待できるわけではありません。でも、とにかく、やれることはなんでもやる、予防できるなら先回る、たたいてたたいて、少しでも被害を抑える。それしかないのですよ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます