植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

思いつきで暮らす日々

2022年08月11日 | 篆刻
このところ、雑事に追われて篆刻修行の「摸刻」がおろそかになっていました。徐三庚さんの摸刻を半年ほど続け、あとその印譜集の20Pほどを残したままストップしています。

ふと思いついて「木彫り」で表札を彫ったりしたのです。これは、昨日完成し、あとで玄関の柱に打ち付けることにします。

山積みになっている印材をあっちにおいたりこっちにしまったり、整理仕事が苦手なワタシにとっては、ほとんど「賽の河原」状態であります。片付けているさ中、また思いついて、他人様が彫った印面を削り磨くという作業もはさまってきます。篆刻の作業の中で、石を平らに美しく磨き上げるというのが非常に難しく大事であることが分かってきました。歪があれば出来た印を捺すと、ムラができます。傷や小さなでこぼこは印刀を入れた時、美しい線が出せません。

ヤフオクで落札して届く「まとめて数十本」の印は、書道家さんなどが落款用に使用していたものなので大半が刻字ありです。有名篆刻家さんの手になる印ならば、篆刻制作の参考になるし、コレクションとしてそのまま保管するのです。これはすでに数百本になりました(笑)

側款も無く、篆刻家ではない人が自作印として彫ったものは、一目でわかります。これが自分の練習用になるので、どんどんサンドペーパーで潰すのです。石印材のいいところは、こうして印面を削りながら再利用できることにあります。自分で失敗してもやり直せるのです。

そして、摸刻に飽きたワタシは、久しぶりに「遊印」(落款用の姓名印や雅印ではない)を彫りました。自分の技量の成長度合いを試す意味で、こうした試みは必要であろうと思います。今回は、尊敬する一人である異才の篆刻家「酒井子遠」先生風の印でした。特徴は、外枠を省略し、造形的な流麗な線刻にあります。その代表作(「墨スペシャル」から)

こんなに、芸術的な印は、ワタシら素人にはなかなか良さが理解できません(笑)。しかし、なんとなく素晴らしい、伝統や決まりごとにとらわれない自由な作風はみて取れます。

拙作はこれ
うー--む、酒井先生には及ぶべくもありません(´;ω;`)
しかし、もう少し、手を入れて仕上げてみようと思います。それでも気に入らなかったら・・・すり潰して彫り直せばいいのです。

で、また思いついたのが「斉白石」さんの印の摸刻であります。徐先生が、技巧的装飾的な作風であるのに対し、斉さんは、武骨で直線的な陰刻にその特徴があります。1864-1957中国清末期から活躍し、現代中国画の巨匠とも呼ばれています。ヤフオクでもたまにその名を刻んだ側款の印を見かけますが、高くて手が届きません。代わりに、印譜2冊を2千円でヤフオクで落札しました。30年以上前に中国・香港で200円程度で販売されている小冊子ですが、現地に買いに行くことを考えたら1冊千円など安いものです。これで、現代中国の芸術家の一人の印を学べるのですから。


徐さんが終わったら、斉さんの摸刻で決まり、なんでも思い付きでありますが、それがワタシ流、独学独習の篆刻のいいところであります。


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