植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

鰻とスイカの食べ合わせが悪い? そんなの関係ねぇ

2023年07月10日 | グルメ
昔から「食べ合わせが悪い」とされるものが幾通りかあります。

代表格は「天ぷらとすいか」「鰻と梅干」「蕎麦にナス」で「鮭とイクラ」なんかもあります。基本的には複数の食品が一緒になると化学反応して「毒性を持つ」とか胃腸に壊滅的なダメージを与えるなんてものはありません。もともと口に入れてはいけないような、常温で時間がたった魚類・生ものとか、加熱しないと食べられないような特殊な食品、ふぐ毒などは別ですが。

鰻とスイカの取り合わせは、上記の言い伝えがごっちゃになったものでありますな。

昭和初期以前の民衆の栄養状態がいいわけはなく、夏場に体が弱っている時に、脂のきついものを食べて胃に負担をかけ、冷たいもので追い打ちをかけると、体調を崩したりお腹を壊したりする、といったことが昔から経験的に起きたのでしょう。また、エビの天ぷらやウナギなど高価な食べ物を専門店で食べれば、高くつきます。庶民や貧乏人は、年寄りや子供が食べたがると、スイカが食べたければ我慢しないとね、なんて贅沢しないような知恵でもあったのでしょう。

さて、そんな折、会社時代からの旅仲間からどこかにいってうまいものを食べたいという話が持ち上がり、ワタシの過密で厳しい環境から日帰りならいいよ、と応じたのが「鰻」でありました。

数回その仲間たちと伊豆方面に一泊旅行に行くと決まって帰りには三島の「桜屋」のうな重を食べるのが楽しみでした。しかし、日曜日にわざわざ日帰りで三島まで行くのはどうか、という話になって、近場の箱根や熱海・小田原あたりを検索したところヒットしたのが、小田原の風祭にある「うなぎ亭 友栄」 さんでした。なんでもお一人最低6000円、予約不可で大行列ができるそうです。「関東では一番おいしい」という評判もあり、遠い県からやってくるのだそうです。

ましてやみんなで調整したら日曜日しか空いていない、ということになり、割合庶民的で美味しくそんな超有名でないお店を小田原で見つけたのです。書道教室のお仲間Tさんも、「あそこはしょちゅう行っている。たれはあっさり目でとても美味しいわよ」とおすすめでした。
それが「うなぎ 松琴楼 」でした。ウナギの目方で3200円から4400円まで選べる合理的なシステム、お値段も大変リーズナブルです。

実は注文する前に、家人用にお持ち帰りが出来るか尋ねましたら、奥の主人に聞いてまいります、といって引っ込み「あいにく今日は出来ません」と断られました。予想しておりました。たいていの鰻のお店は、仕込んでいる数に限りがあって、無くなり次第閉店となります。トップシーズンで遠来のお客さんが並んで待っているのに、まとめてお土産に持っていかれたらお気の毒ですよね。

ワタシが頼んだのは200gでご飯少な目、血糖値が上がるのを避けダイエット中でもありますから。開店前から30分並んだ甲斐があって、さほど待たずに出てきました💖
前評判やら食べログの評価に違わず、ふっくらふわふわでくどくないあっさり目のたれが何とも美味でありました。これはリピーターになりますね。うちから車で20分で行けるし。量が少ないのであっという間に完食、もう少し食べたかったなぁ、くらいで丁度いいのです。

うな重をお土産にできなかったので、なにか小田原駅周辺で買おうということにいたしました。すると以前はなかった見たことの無いような建物が建っておりました。

「千と千尋の神隠し」に出てくるような古風な楼閣風の複合施設「ミナカ小田原」 です。だいぶ前から小田原市は駅前の再開発に取り組んでいて、3年前にオープンしました、とテナントの人から聞きました。小田原は歴史的にも様々な記録や古刹・建造物があり、なにより中央には「小田原城」があります。観光資源として多種多様な施設や老舗が軒を連ねていた「城下町」であります。干物やら甘味・かまぼこなど小田原に行って買って帰りたいものがたくさんあるのです。

新幹線も止まるし、箱根などの名所への出発口にもなって県内有数の観光地であります。コロナ後の地域振興や地場商店の存続・繁栄のために人口19万人の小田原市が積極的に取り組んでいるのがはっきりと見えるのです。

さて久しぶりに美味しい鰻を堪能し戻ってきたのが平塚、七夕祭りの最終日で、ずいぶんと若い人を中心に人出がありました。普段閑散としている「七夕通り」にこれだけ人が歩いているのを見たのは、20年ぶりくらいかな(笑)。
平塚市も、昔から七夕祭りが地域振興の目玉で、当市でもっとも有名なイベントという位置づけなのです。しかし、欠落しているのが一年でわずか3日間しか開催しない、それ以外は準備のための時間と多大な費用を強いられて、短い時間だけ集客できる、に過ぎないということです。

平塚市はほかにめぼしい観光資源が無いし、風情も景観も期待できません。工業地帯・工場などの産業中心ですが、商業はどんどん廃れて、平塚にあったデパート・百貨店はすべて消滅しました。ワタシの知る限り、今までに観光で平塚に行きたいという方は一人もいませんでした。

ということで、同行した人たちは、知り合いの洋菓子店で買ったケーキを食べて、ワタシの隠れ家以外どこにもよらず帰路についたのです。

夜は、小田原で買った鰺の干物が夕食。
そしてデザートが、隠れ家の屋上で作った「小玉スイカ」でありました。

これはもうワタシの数少ない自慢の代物で、二日追熟して頂きました。
白い外皮の際まで甘いみずみずしいスイカで、家人絶賛でありました。

食べ合わせで言えば「鰻とすいか」というのも良くないとされていますが、半日経過していて、なおかつウナギもスイカも少量であります。なによりワタシの胃腸はここ数十年一度も異変や痛み・故障を起こしたことがありません、鉄の胃を持っております。

人と会い、普段行かない町を車で走行し、あちこちで人込みにもまれていささか疲れましたが、まことに結構な一日、旨いもの三昧の時間を過ごすことが出来ました。

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