植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

男尊女卑だけでない 日本がダメなワケ

2022年03月09日 | 時事
世界「男女平等ランキング」(ジェンダーギャップ)が日本は120位だそうです。ほぅ、世界の国は200近いから、真ん中からちょっと下か、などと思ったら大間違い。対象国が153ヶ国なので、ビリが近い最低レベルの国なんですね。日本が、まともな国家のうちで自由主義・民主主義国家としては、実質的には世界で最悪・一番男女不平等なのです。

 経済(労働参加・所得)が117位、教育(学歴)が92位、健康が65位、政治 (政治家の数・参政権)などを男性と比較したスコアによるようです。

 日本は、神代の時代より一貫して男系天皇から家督制度まで、社会全体が男子優先でした。男尊女卑の考え方は、敗戦後男女平等を定めた憲法が成立した後も根強く残ってきました。大相撲に象徴されるように、とりわけ、伝統的文化や芸能、女性を政や祭り事から締め出してきた歴史があります。そうした男社会で、女性を家庭に家事育児で留め置くのが理想だと考える人がいまだに多いのです。

 ワタシが生まれ育った九州大分では、昭和30~40年代でやはり戦前の男尊女卑の社会が残り、男性中心で優先の生活習慣が当たり前でした。ワタシの実家でも、お風呂を沸かせば、一番先に家長が入り、男が終わった残り湯を母親が使いました。夕ご飯は父親が晩酌し、父親用に酒の肴を支度する。晩酌が終わるまで家族は食事を始めないし、残り物を母親が食べていました。母親が、外に働きに出たいというと、決まって夫婦喧嘩になり母親が涙を流していたのを思い出します。

 しかし、女性を不平等に扱い社会参加を阻んでいる最大の障壁の一つは、国が定める税制や社会保障制度に潜んでいます。それは、一つが夫婦の「配偶者控除 」、もう一つが社会保険料の被扶養者の年収制限であります。更に「定年延長と70歳までの雇用継続」の導入であります。

 家庭の主婦が家計を楽にするため働く、子育てがひと段落して働きたいと考えた時、パートタイマーが一般的です。何故なら、企業にとっては社会保険料など正社員にかかる福利厚生費などを負担せず、いつでも解雇出来て、最低賃金で働く有難い存在だからです。また、主婦にとっては、一定の賃金に抑えておけば、夫の所得税扶養控除、自分の所得税免除が受けられ、健康保険や年金の支払いも免れるからです。

 パートさんは、およそ100万~130万円未満に収入を抑えていくつかの「壁」を越えなくしているので、結果として女性の平均所得が低いというスコアになっているのです。

 勿論主婦は、家事や家族の世話という縛りがある(それはつまり日本の男性優位社会の根底にある悪しき習慣です)ので、男性のようにフルには働けない、というハンディがあります。しかし、もし男女の格差なく同程度の所得が得られるような制度になれば、おのずと家庭内の役割分担も変わるはずなのです。

 もう一つ、女性の参加を阻むのが、60歳定年を過ぎた男性の雇用継続であります。もとから60歳まで勤務できるのは男性が圧倒的に多いので、再雇用も男性中心となります。業務量が増えないのに70歳まで高齢者を残すとなると人員の余剰が出る分、若い人、とりわけ女性の参入できる余地が減るのです。

 また、かつて大家族・三世代家族が当たり前だったころは、年寄りが子供の面倒をみたり家族同士で家事を分担できていたのに、定年過ぎても働きに出るとなると、若い人の生活をサポートできなくなってしまいます。お金の為には仕方ないと言うのですが、日本の個人資産は金融資産だけで総額2000兆円あるのです。勿論、富は偏在し、ごく少数の金持ちが多くを占めているとはいえ平均値は高齢者の方が金額は多くなります。60歳代では一人当たり平均が1635万円、中央値でも650万円ほどなのです。ご夫婦ならその倍、働かなくても十分ストックがあるのに、政府が、先細りになり国庫から補填する年金を払うのを惜しんで働かせようとしているだけなのです。

 はっきり言えば、諸悪の根源は「我が身の保身・出世と省益の事しか考えないお馬鹿役人」とそれに乗っかって思考停止している、世襲のお花畑議員で、こいつらが日本を腐らせているのです。結果として、女性は家に縛り付けられ、かといって子供を育てるだけの満足な世帯収入は得られず、ジェンダーギャップは広がります。そして少子高齢化・日本経済の衰退に拍車がかかっているのです。

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