植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

世界で一番早いマスターズ優勝ブログ 

2021年04月12日 | スポーツ
今日で4日間、ずっとマスターズを観戦しました。
信じられない快挙です。
松山英樹選手が、「マスターズ制覇」を成し遂げました。日本人選手が、グリーンジャケットを着ることになるとは「期待」はしていても想像もつかない夢のような出来事です。アジアの選手として初めてこの最高の舞台でトップになったのです。青木も尾崎も中島も近づけなかった。伊澤プロ片山も4位が最高でした。彼自身は最高位が5位。

 予選初日、イーグルを達成し、Jローズを先頭に好位置につけました。2日目3日目もイーグルが出て、特に3日目はノーボギーの最高の成績で2位と4打差と一気にトップに立ちました。以前の松山は、(日本選手共通ですが)ムービングサタディーでスコアを崩したり、最終日最終組で出て失速するということが何度かありました。悲壮感を漂わせ、ここぞという時にまさかのミスがでるというパターンを何度も見ました。
 しかし、今回は随所に笑顔を見せながら楽しんでいるように見えました。おそらく専属コーチについてメンタルコントロールを学んではなかろうかと思います。

 タイガーウッズが欠場、優勝本命と言われたダスティンジョンソンはまさかの予選落ち、神がかったプレーを繰り出す選手も出ず、後続のスピースやローズ、ザラトリスなどの有力な選手がスコアを伸ばしてこなかったというのもラッキーでした。一緒に回ったしぶといシャウフェレが出だし三つスコアを落として圏外になってから、追い上げてきたのもいい緊張を生みました。ずっと好天が続き、コロナで観客(パトロン)が少なく穏やかな環境だったのが幸いしたようにも見えました。何より木に当たったボールが跳ね返っていいところに出てくるといったラッキーが随所にありました。

 アイアンが切れ、得意のアプローチもさえわたり、問題のパットにも不安が無い堂々とした4日間でした。毎朝観続けてきたワタシにとっては夢のような楽しい時間でありました。

 彼はアマチュアで出たのが10年前、その時マスターズで27位でした。4年前の全英で優勝が見えてきた最終日、まさかの失速で逃した後優勝から遠ざかりました。精神面のショックが大きいのだと思いました。トラウマと言ってもいいかもしれません。指などの故障もあって成績が落ち込んだのです。恵まれた体格と小技のうまさで一時はトップにあったロレックスランキングも25位まで落ちていました。

 そういう苦悩のここ数年間があったからこそ今日の優勝があったのかもしれません。とここまで書いたのは決まる前の予定稿、優勝した前提で書き進めていたところシャウフェレが4連続バーディー、松山が池ポチャボギーで一気に2打差に詰まってきました。そして16番では今度はその気になったシャウフェレが池ポチャトリプルを叩いて脱落、残り2Hでザラトリスと2打差というシビアで目まぐるしい展開になりました。

 そうして最終ホール、ドライバーでのティーショット、テレビのアナウンサーと解説者は打つまでしばらく沈黙が続きました。ショットが終わった瞬間「王手」だね、と中島常幸さんが呟きました。そう簡単に勝たせてくれない、優勝賞金2億2770万円であります。 次のセカンドは体が動かず右のバンカーに入れました。そうでしょう、疲れと重圧はピークであったろうと思います。ウイニングパットが1打差での優勝、アナウンサーも中島プロもみんな声を震わせ泣いていました。勿論松山も泣いています。ワタシも泣きました。

 おめでとう松山君、ありがとう。歴史的快挙、しかと見せてもらいました。

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