*下記の「合衆国財務証券」は、すべて「円建ての日本国債」と読みかえてください。「政府の借金は、国民の資産であり、その返済は、会計上の勘定の付け替えにすぎないので、『次世代のツケ』などではない」ことが、実務に即して述べられています。
次に知るべきは、合衆国財務省証券とは実は何なのかということです。合衆国財務省証券は、FRBに設けられた普通預金にすぎません。あなたが合衆国財務省証券を買ったら、FRBにドルを送り、将来ときどき利子が付きます。それは、どの銀行でも同じことですね。あなたは銀行にドルを送りその見返りに利子を受け取ります。仮に、あなたの銀行が、2000ドルの財務省証券を買うことにしたとしましょう。その支払いのために、FRBは、あなたの銀行がFRBに設けている当座預金口座に預けているドルの数字を2000ドル減らし、同じくFRBに設けているあなたの銀行の普通預金口座の数字を2000ドル増やします(私は、財務省証券を“普通預金口座”と呼んでいます。まさしく、そうであるからです)。
*普通預金口座( Savings Account)と当座預金口座(Checking Account)の違いについて一言。普通預金口座は日本でも一般的に利用されている毎月利息が付く口座です。一方、当座預金口座は、日本では法人口座以外馴染みがありませんが、アメリカでは個人小切手の決済口座として利用するもので、原則として利息は付きません。
別言すれば、合衆国政府がいわゆる“借り入れ”をするときに行うのは、基金をFRBの当座預金口座からFRBの普通預金口座(すなわち財務省証券)に移しかえることだけです。事実、総額13兆円の政府の借金は、FRBに設けられた普通預金口座の経済全体の手持ち、すなわち保有証券にすぎないのです。
*ここは、三橋貴明氏や中野剛志氏が前々から強調してやまない「政府の負債は、民間の資産」というフレーズとしてまとめられるものと思われます。
そうして、財務省証券が満期になり、その“借金”が返済されなければならなくなったとき、何が起こるのでしょうか。お察しの通りです。FRBは単にドル残高をFRBの普通預金口座(財務省証券)からFRBの適当な当座預金口座(準備金口座)に移すだけのことです。何か目新しいことが行われるわけではないのです。とても長い間、まさにこのようなことが実施されてきました。そうして、誰も事の真相がかくも単純であることや困った事態に発展することなど決してないことを理解しているとは思われません。
*別に難しいことが述べられているわけではありません。要は、政府が通貨の発行権を有する経済主体であることを忘れなければよいのです。
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