二兎を追うもの一兎をも得ず
東京都小池知事は、オリンピックの今年度開催と新型コロナウイールスの感染防止の両方を追っていたようだ。
それもどちらかと言うと、オリンピックの今年度開催のほうに力が入っていたように見える。
うがった見方だが、そのために東京都における新型コロナウイールスの感染者数を抑えていたのではないかという疑いがぬぐえない。
オリンピックの1年延期が決まった途端に堰を切ったように感染者が急増した。
この3日間で74人に上る。
そして待ち構えていたように、25日夜、都庁で緊急記者会見を開き「今週末外出自粛要請」を出した。
本来であれば3月に入って早々に臨戦態勢を敷くべきではなかったのか?
未だに専門家の間でも意見が分かれているのが、PCR検査をしっかりすべきかどうか、である。
非常に少ない。他国からもなぜ少ないのか?と、疑問の声が上がっている。
確かに感染者をすべて、「感染症病床」で受け入れていたら、パンクしてしまい医療崩壊を起こすだろう。
だからと言って重症になるまま放置して、ぎりぎりになって検査するのでは本末転倒だ。
このような絡み合った問題を解決するのが「政治家」の役割だ。
明らかに現場のマンパワーも設備も不足している。
テレビに出てくる専門家なる人たちは、ほとんどが研究者や元厚生省や国立感染症研究所の関係者だ。
現実に現場で苦労している臨床の医師はテレビなどに出る暇はない。
しかしだからこそ現場の医師たちの声をもっと聴くべきではないのか?
その声を聴いて有効な対策を打つのが「政治家」の役割であろう。
新型コロナは指定感染症だから、現状では軽症・重症の区別なく陽性患者は入院措置が取られる。
おそらく感染者数が増えれば受け入れ施設がパンクするのは目に見えている。
今後においては軽症者は自宅療養の流れを作っていくべきだろう。
東京都もそのあたりは認識しているようだ。
問題は実行するかどうかにある。誰が責任もってやるかだ。