日本共産党のネックは、
①天皇制を「憲法上現にある制度としてのみ容認」としていることだ。
否定はしていないが、国民の殆どが敬愛し守ろうとしている仕組みを堂々と容認したらどうだろう。
②現状を容認しているが憲法9条から見て自衛隊は違憲で段階的解消論としている。
現状での消極的容認論ということだ。
しかし今回従来の見解から一府踏み込んだ。
志位委員長発言
憲法9条については、「無抵抗主義ではなく、個別的自衛権は存在している。万が一、急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守り抜くのが党の立場だ」
昨年の衆院選で自民党や公明党、さらには維新や国民民主党から上記2点を指摘された。
明解な反論がなされないまま、立憲民主党に対して「閣外からの協力」は生煮えのまま宙ぶらりんになってしまった。
一からやり直す必要があるのだろう。そのためには共産党のもう一段の脱皮が必要ではないか。
今回の志位発言がその方向に向かうのならば、野党のまとまりは強くなる。
昨日の朝日新聞での政治学者の中北浩爾氏の提言は参考になるはずだ。
「平和で平等な社会の実現という究極の目標は、決して輝きを失っていないし、格差の拡大などを背景に、ますます日本で求められていると思います。しかし現状のままでは、じり貧でしょう。路線転換する際の選択肢の一つは、イタリア共産党のように中道左派の社会民主主義に移行すること。アメリカや大企業・財界への敵視をやめ資本主義の枠内で改良に努める社会民主主義政党になれば、野党連合政権の樹立は一気に近づくはずです」
「1993年に自民党の一党優位政党制が崩壊し、連立政権が続いていますが、自民・公明のブロックに対抗すべき野党ブロックがあまりにも弱い。共産党が変われば、この閉塞状況を履せる。私は共産党こそがゲームチェンジャーになりうる存在だと見ています」
私も同じ意見だ。
自民・公明に対して政権交代可能な野党勢力が出来なければ、政治に緊張感が生まれない。
ダラダラと緊張感のない政治が続く。
国会中継などを見ていると共産党の議員の質問がよく勉強しているし的を得ている。
その努力が十分認められないのは何が問題か?
ゲームチェンジャーになり得る存在を自覚してもっと変わることだろう。