「白波5人男」という歌舞伎の演目がある。
大泥棒5人の物語でそれなりに格好良くセリフも面白い。
弁天小僧の「しらざあ言ってきかせやしょう,浜の真砂と五右衛門が歌に残した盗人(ぬすっと)の種はつきねえ七里ヶ浜」
日本駄右衛門の「問われて名乗るもおこがましいが」。
一方最近永田町の周辺で演じられている「安倍派5人衆」による田舎芝居は目をそむけたくなる。
全部秘書や事務方の責任にして自分たちは頬かむりだ。
「知らない」、「関与していない」、「秘書が全部やった」
「知らざあ言ってきかせやしょう」くらいのセリフがなぜ言えぬ。
1991年(平成3年)山一証券破綻時に、
「私たちが悪いので、社員は悪くありませんから」と泣きながら訴えた山一証券の野沢社長を見習えと言いたい。
社長の温かい人間性と社員に対する責任の取り方を示したものだった。
令和の妖怪森喜朗がまたもや永田町に出没して岸田首相や茂木幹事長に圧力をかけているとか。
茂木幹事長は、安倍派5人衆の自民党離党もしくは議員辞職の意向を示した。
しかしこれを聞いた森元首相は、次のように圧力をかけたという。
「塩谷立座長を離党もしくは辞職させて他の5人は守れ」
いやはやなんという魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界だ。
魑魅は山中の怪物、魍魎は水中の怪物。
「清廉」に泥を塗った連中は政界から足を洗うべきであろう。