行雲流水の如くに

世論調査の落とし穴を読み解く

このところ毎週のように世論調査が行われており、またかという感じになる。
世論調査は、する方とされる方との二重のバイアス(かたより)がかかる。

する方はコンピューターで無作為に電話番号を作成し、調査員もしくはコンピューターが電話をかける方式が大部分だろう。
この方式でも質問方法に何らかの仕掛けを入れておくなどして誘導は可能だ。
またされる方も正直に答えているとは限らない。本音を隠して答えるのはありだろう。
リタイアした高年齢層は比較的本音で答えるだろうが、現役層は本音で話すことに躊躇する。要するに政権政党に忖度するのだ。

7月15日の朝日新聞の世論調査で興味深い部分を見つけた。
   政党支持(パーセント)   比例区での投票先(パーセント)  
  自民党   34          自民党  35     
  立憲     6          立憲   12
  国民     1          国民    2
  公明     4          公明    6
  共産     5          共産    6
  維新     2          維新    6
  社民     1          社民    2
  れいわ    1          れいわ   1
  支持政党なし33          答えない 29         

立憲は政党支持では6%だが比例投票先では一挙に12%に跳ね上がる。
これは女性を中心に多様性のある人材を多数擁立した効果だろうか。
有権者の投票行動は政党支持よりも比例区での投票先での投票先で判断したほうが正解に近いのだろう。

維新の政党支持は大したことはないが、比例投票先は公明・共産並みにある。
自民にも立憲にも入れたくない自民よりもやや右寄りの層が一定数いるのだろう。
ただ大阪中心なので地方区では存在感が極端に低下する。全国的な国民政党にはなりえないだろう。

無党派層がほとんどブレていないということは、未だに投票態度を決めかねているようだ。
この層がこのまま眠っているならば、この国の政治レベルはますます低下することだろう。

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