岸田首相が国賓待遇でアメリカを訪問している。
米国と仲良くすることは日本にとって良いことだが、度を過ぎて取り込まれることには不安を覚える。
外交関係において必要以上の歓待を受けるということは、何か裏があると勘繰った方が良い。
まず考えられるのは、岸田首相もバイデン大統領も国内では不人気だ。
そこで外交で点数稼ぎをしたいわけだ。
もう一つの狙いは軍事面での共同歩調の強化だ。
反撃能力を保有し防衛費を倍増して作戦面でも統合を検討するなどとかなり踏み込んでいる。
岸田首相は、米国の信頼のおける友を演出したかったのだろうが、これも度を過ぎると「忠実なしもべ」にしか映らない。
「米国は独りではない。日本は米国と共にある。
日本は控えめな同盟国から、外の世界に目を向け、強くコミットした同盟国へと自らを変革してきた」
日本国内がガタガタなのに何とも勇ましい発言だが、こんな風に前のめりになる時は岸田政権の動きに気を付けるべきだろう。
飼い主のご機嫌を取ろうと犬は盛んにしっぽを振るが、それに似ていなくもない。
米国はしたたかに中国とも対話のルートを保持して定期的に会談している。
単純に中国を敵視して強気一辺倒でもない。
それに対して日本の岸田政権のこの単純さは何なんだろう?
インドネシアの新大統領も中国と日本に間隔を置かず同時に訪問している。
日本の外交の基本は、「明確な敵を作らない」ところにある。
その意味で前のめりになる「岸田外交」は極めて危うい。