行雲流水の如くに

立憲民主党代表選から見えて来るもの

立憲民主党(旧民主党を含めて)の議員のイメージは、「真面目で議論好きで妥協を嫌う」というところがある。

だから議論を始めると、とにかく終わらない。そして最後には分裂騒動に発展する。

ところが今回立候補した、逢坂誠二、小川淳也、泉健太、西村智奈美の各氏からはそんな雰囲気は感じられない。

 

今回立候補した各氏は民主党政権時代の閣僚経験がなく、一歩身を引いて上層部の争いを見ていたせいなのだろう。

そんな反省の上に立って、「真面目で議論好き」はあまり変わっていないが「妥協を飲み込む」姿勢に変わってきたのだと思う。

自民・公明と対峙する政権の受け皿になるためには「懐の深さ」が求められる。

政策論争になると自民党はしたたかだから、恥も外聞もなく「抱きつき戦法」に出てくる。

岸田政権の「分配重視」などいい例だ。

 

発言の鋭さと違って「懐が深い」と感じたのは小川淳也の発言と行動だ。

(今回の共同会見ではあまり踏み込んだ発言はしていない)

以下はデイリー新潮取材班による。

2016年の参院選、小川氏は民進党香川県連の代表として香川選挙区の野党候補を共産党候補者に一本化する先頭に立ちました。共産党候補への一本化は香川県だけで当時話題になりました。この時小川氏は共産党香川県委員会に歩み寄りを求め、「日本社会に必要なのは社会主義的変革でではなく資本主義の枠内での民主的改革」「日米安保条約の破棄や自衛隊の解消という政策は持ち込まない」「天皇制を含めた現行憲法の全条項を守る」などの確認書を交わしました。

私はこの小川氏の前のめりな姿勢を懸念して、議員会館を訪ねました。そして「共産党と組むと民進党がどんどん浸食され、左傾化するんじゃないか」と率直に尋ねました。それに対し小川氏は「僕は変わって行くのは共産党の方だと思う。欧州のような共産党の現実化・中道化は時代の流れでしょう。欧州も入り口は選挙協力でした。今回はその第一歩ですよ」と話していました。

 

私も彼の時代認識は共有する。

共産党はかなり変わってきたがもっと変わる必要がある。

立憲民主党がさらにウイングを広げるとすれば、やむなく維新などに流れた層を取り戻すことだろう。

さらには自民党支持が多いと言われている「若い層」に魅力を訴えることだ。

ちょうどトランプが行き場を無くした白人層の票を得たように、衰退しつつある日本社会の中で一応は「勝ち組」に残っているが、絶えず明日への不安を抱えている層への働きかけだ。

それは一時的なバラマキで解消されるものではなく、長期的な生活安定対策であるべきだろう。

 

多くの場合、私たちは「よく知っているものに対して好意を感じる」

だからメディア戦略は重要だ。

政策の違いよりも「握手したから」、「電話がかかってきたから」、「テレビでよく見る顔だから」、「知ってる人から頼まれたから」などで投票しているケースが大部分だろう。

選挙をあまり堅苦しく感じてはいけないわけだ。

恐らくこの辺の活動量が立憲民主党には足りなかったのだろう。

「真面目人間」が陥りやすい罠だ。

 

今回の立憲民主党の代表選は「新しい顔」を見せる良い機会だ。

正々堂々と戦って欲しいものである。


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