行雲流水の如くに

「全集中の呼吸」も乱れる菅首相の国会答弁

衆院予算委員会で国会論戦が始まった。

周りの側近からの入れ知恵なのか、菅首相は今はやりの「鬼滅の刃」でよく使われるきめ台詞を使った。

全集中の呼吸で答弁します。

しかし実際は野党の追及で「しどろもどろ」。

野党議員もあきれ顔で「論点をずらすごはん論法にすらなっていない」と酷評。

 

私は国会中継は、庭の草むしりをしながら聞いている。

蒟蒻問答のような国会中継だけを見ているのは時間がもったいないからだ。

草むしりは割と好きな作業で無心に行っているので、ラジオの声はストレートに入ってくる。

 

呼吸器官には不随意筋のほかに、随意筋もあって、両者が相克することもある。

驚き、恐れ、怒るとき、心の動揺にともなって、呼吸の乱れが生じる。

呼吸を整えるということは、武士道においては「必須のこと」とされている。

 

菅首相が、野党の追及により「全集中の呼吸」が出来ず「しどろもどろ」になった。

なぜか?

身にやましいところがあるからだ。自分の言葉に嘘があるからだ。

結局、嘘を嘘で固めざるを得ない。

素直に過ちを認めて6人の任命を行えば、「懐が深い」と評価が上がるのだが、まず無理であろう。

 

昨日の菅首相の国会答弁を聞いていて感じたのは、権謀術数には長けているが、学問とか教養を軽視する姿勢だ。

任命排除した6人の研究内容や著書などに無関心。かろうじて加藤陽子さんの名前は知っていた。

最近の政治家に深みがないのは、謙虚に学問を学ぶ姿勢がないからであろう。

 

学に志す者、規模を宏大にせずば有るべからず    西郷南洲翁

その志を大きく抱き、一つのことを進めようとする者にとって、最も憂えるべきことは、自分の事や利益のみを図り、けちで低俗な生活に安住してしまうことだ。そうならぬためには、昔の立派な人を手本として、自分からそういった人物になろうと修業し努めることである。


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