昭和史の語り部である保坂正康が政治家の資質において次のように語る。
歴史の中で自分の位置づけをしっかり持っていることが大事で、その上で、
①本を読んでいること②師を持っていること③言葉に責任を持つこと
これは極めて重要な指摘である。
歴史の中での自分の位置づけという点で言えば、
今回候補に挙がる政治家に、
「戦争というものは、人間がやってはならない最大の悪である」という自覚があるか?
今や若者の7割は8月15日(終戦記念日)がどのような日であるかわからない。
これを戦後80年近く戦争をしなかったと誇るべきなのか、それとももはや風化の過程にあると憂えるべきなのか?
日本人は「短兵急に物事を見る」欠点を持っている。
諦めが早いし、長期的に見る姿勢を小馬鹿にする傾向がある。
例えば数か月前に大騒ぎした「裏金問題」を取り上げた石破茂や河野太郎は他候補から袋叩きだ。
今の自民党の総裁選の動きを見ていると、安倍派や二階派の裏金議員たちから押される小泉進次郎や小林鷹之が上位に来る。
極めて皮肉な現象で、表面的な「刷新感」で煽るマスコミも同罪だ。
さまざまな難題が噴出しているこの国を率いるのに、「国民的な人気」とか「刷新感」では無理だろう。
「歴史観を持っている」厚みのある人間を選択すべき。
それが誰かはこれからの論戦でしっかり見て行くべきだ。