選挙資金として河井夫婦に渡った一億五千万円は、自民党のだれの指示で出されたのか?
この数日、何とも醜い責任逃れのやり取りが続いている。
二階幹事長が「自分は関与していない」と言い出した。
若手の記者が「では誰が?」と突っ込みを入れると、林幹事長代理が、甘利明自民党税制調査会長の名前を挙げた。
当然の如く甘利明は否定する。
河井克行の動きを追ってみると、彼は地盤、看板、カバンを持たない「たたき上げ」。
それだけに結構したたかだ。
彼がそれなりの地位を固めたのは、政界の大富豪と言われた鳩山邦夫に食い込んだことにある。
そのやり口は、鳩山邦夫のカネを使って鳩山の人集め(派閥作り)に奔走したのだ。「きさらぎ会」結成。
一方、菅義偉とも当選同期で尚且つ持たざる者同士で誼を結んでいたのである。
転機は安倍晋三が12年、自民党総裁選に出馬した時に訪れる。
「きさらぎ会」の票と鳩山邦夫のカネが動いたと当時は噂されていた。
ここに安倍・菅・河井のやや後ろめたい関係が出来上がったと言えるだろう。
一億五千万円の話は、おそらく安倍・菅・河井が決めたというのが真実ではなかろうか?
二階幹事長は黙って判をついた代償に河井案里の二階派入りを得たのだが、案里が辞職すればそれこそ何もなし。
「他山の石」発言は案外に本音だったと言える。
二階の発言は、安倍・麻生・岸田の3派閥が画策する「二階幹事長はずし」に対する二階俊博の反撃と考えられなくもない。
自民党に時節遅れの「啓蟄」が始まったようだ。
啓蟄ーー陽暦3月6日ころ。冬ごもりしていた虫たちが地上に出て活動を始める時分
コロナウイールスによる国民の苦しみはそっちのけだ。
総理・総裁が無派閥の根無し草だから、かえって権力闘争や権謀術数が激化する。
物の荒廃は必ず人に由る 人の昇沈は定んで道に在り
弘法大師