行雲流水の如くに

スポーツマンシップを考えるーーー慶応高校優勝に寄せて

慶応高校が107年ぶりの優勝という快挙を成し遂げた。

選手や監督そして関係者の努力を多としたい。

107年前というと大正5年、それに先立つ明治38年に早大野球部がアメリカ遠征を行った。

この時の引率者が早大体育部長「安倍磯雄」だ。

「日本野球の父」と言って良いだろう。

この辺の状況は、丸屋武士著「嘉納治五郎と安部磯雄」に詳しい。

 

その著書から引用すると、

安部は野球部員に対し長年に亘り「スポーツマンシップ」、「フェアプレイの精神」を強調して怠らなかった。その「スポーツマンシップ」とは、我が国における武士道のことであると喝破した安部は、「人の弱みにつけこまない」ことが、武士道の眼目(要諦)であることを明らかにしている。そのうえで安部は、次のように指摘した。

「スポーツマンは勝敗などを眼中におく必要がないこと、全力を尽くして遂に敗れるということは、結局自分の実力が足りないのであって何等恨むべき所はない、強い者が勝ち弱い者が負けるということは人生の原則であって、当然のことである。

敗けた者は更に一層の努力をすればよろしいのであって、スポーツマンはあくまで自分が強くなることを考えて、少しでも相手の弱くなることを希望するような卑怯な心を起こしてはならない。

弱くなった相手に勝つことは当然のことであって、自ら強くなって相手を倒すことがスポーツマンの本懐であるのみならず、公平な競技の精神、即ち「フェアプレイの精神」もそこにある」

 

この骨太の筋の通った姿勢は、われわれが常に心にとめて心掛けるものではないだろうか。

なんとなく社会が溶解しつつあるなかで忘れてならないものだと思う。


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