行雲流水の如くに

「空気を読まない」勇気が今の日本には必要だ。

「空気を読む」ということは人間関係を円滑にするうえで必要なことではある。

しかしあまり読みすぎると、「お前の軸はどこにあるのだ」という厳しい叱責がどこからともなく飛んでくる。またそうでなければおかしい。

最近の若者は「保守化」しているとよく言われる。

裏を返せば、既存の権力(例えば自民党など)を何の疑いもなく信用もしくは信頼しているということなのか?

 

ファシズム分析の古典として名高いエーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」によれば、

自由と理性が拡大する時代であるはずの近代において、権威主義への傾倒が生ずる理由は、近代的自由の裏面には、「寄るべの無さ」「孤独」があるからだという。

確かにこの20年近く、日本の国力はピークを過ぎ衰退に向かっているのではないかという兆候が多すぎる。

政治家は「成長」、「成長」と叫べども国債という借金のみが膨れ上がり、その借金は次世代に引き継がれる。

そのあたりの「空気を読んで」納得しているのか。

こんな状況を、「変えようという気力」もなく、権威ある勢力に従えば何とかなると考えていたら甘いのではなかろうか?

 

おかしなことをしでかして言い逃れに終始する人間を放置して、その人間を批判する人たちを逆に「批判ばかり」と嫌悪を感じるあたり、

この国の道徳的気力の減退を感じ取るのだ。

おかしいことはおかしい、と当たり前に言える社会でなければならない。

その姿勢は、近代的自由を自ら進んで投げ捨てて権威に服従しているのだ。

そのことによって「偽りの安心」を求めているのだろう。


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コメント一覧

megii123
ベツラさん
ご指摘の通り、この社会で何から何まで自分とまったく同意見ということはあり得ないでしょう。
そういう違いを無視して何から何まで一色に染め上げるのは危険です。

自分の軸を持つということは、同調圧力の強いこの日本ではかなり勇気がいります。
しかしいったん割り切れば意外と楽になりますね。

ベツラさんの強みは「どこにも属していない」と言い切る自負がある事なのでしょう。
bellavoce3594
自分の意見が大勢の方々と同じと言う場合もありますが、その時でも少しは違うものです。
しかし「こうでなければならない、さすがアベちゃん、高市さん、などと大合唱する」ことが危険なのです。
同調圧力に弱い「よい人」が悲しい。私は私の意見がある、という立場を持ちつつ、正しいことは正しい、これは間違い、と言う場合は違う、ということ。かなり勇気が必要ですが、「どこにも属していない」と言い切ると楽になりました。
特に若い人をヨイショし持ち上げ、特定の世代をまるで絨毯攻撃のように扱うのは何と、そのトクテイ世代の方も一役かっている、おかしな論者には辟易します。
そうして二派択一を強いるのに「ノーサンキュー」です。
よく仰ることが理解できます。
megii123
ひまわりさん
今の若い人たちは、衰退の過程にある現状を受け入れることによって、これから先の未来に大きな期待を抱くのをやめようと考えているのでしょうか?

本当に「なんとかしないといけません」
諦めてはいけませんね。
ひまわり
行雲さま、全くおっしゃるとおりです!
投票日前に、まだ選挙権のない高校生と話して、
「入れるとしたらどこに入れる?」と聞くと、「自民党?」という返事がきて、びっくりしました。
メディアのせいで、自民党しか見えていないのかもと思いましたが、先が思いやられます。
なんとかしないといけませんね❢
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