戦争をしようとする国家は、少なくとも石油や石炭などのエネルギーと食糧の自給率が100%以上なければならない。
この条件を満たせるのはアメリカ、中国、ロシアのみ。
(中国は100%までいかないが備蓄を増やしている)
日本はどう逆立ちしてもエネルギーと食糧は他国から調達しなければならない。
だから考えるべきは、「戦争しないでいかにうまく立ち回るか」ということだ。
そのためには常日頃から「日本から戦争を仕掛けない」ということを発言し外交力を磨くことだ。
ところが最近の状況はかなり危険な煙が燻り始めている。
自民党の右派や維新の会が「強硬論」を唱え始めた。
「核共有論」、「敵基地攻撃能力」、「軍事費倍増」などだ。
そして平和を唱える者や戦争に反対する人々を「小ばかにする風潮」が広がり始めている。
ロシア文学の翻訳家奈倉有里さんの指摘が鋭い。
プーチンが大統領になった2000年代以降のロシアの動きは、戦争をしようとする国家が戦争の前に何をするのかのお手本の山です。
権力者の親しみやすさアピール、我が国は侵略戦争をしたことがないという歴史観の教育、軍隊の賛美⋯⋯。その一つが平和・人権運動に対する冷笑的な世論作りであったことから学んだほうがいい。日本は、戦争に反対することへの冷笑や批判が危険なレベルに高まっていると思います。笑っている人は、政府が強権国家を作るのに非常に都合がよい状態を生み出し、笑っている自分自身の首を絞めていることに気づいていません。
アメリカバイデン大統領がウクライナに対して、「ロシア領内を攻撃できるロケット砲を提供しない」と発言した意味を日本はよく考えるべきだ。
若しウクライナがロシア領内を攻撃した場合、プーチンに核使用の口実を与えてしまう。
だから、ウクライナには自国の領土を取り戻すための武器は提供するが、敵基地攻撃能力のある武器は提供しないのだ。
日本は「専守防衛」に徹し、領海や領空で撃退できる能力にもっと知恵を絞らなければならない。