198万PV達成!漫画史研究家・本間正幸監修【少年画報大全】(少年画報社・現在三刷)更新復活

【20世紀冒険活劇の少年世界】メトロポリス漫画総合研究所(since1997)から、昭和の映画、出版美術、音楽を!

【ガロ・COM マンガの時代】報告!!

2012-01-29 21:00:38 | 昭和末期・横浜鶴見のある不良少年の物語
2012年、映画と漫画史研究家の本間正幸がオススメする映画やマンガ、アニメなどのイベント情報、展示会の紹介です!(画像は、今回の戦利品の一部です!)

のらくろ館のある東京都江東区森下文化センターで、

『貸本マンガの時代』第4回「貸本マンガの世界~貸本マンガから週刊誌へ~」

のゲストに漫画家の川崎のぼる先生とビッグ錠先生が来館。
会場に展示されていた【のらくろ館】の資料が、在野の漫画コレクターの協力の下、及第点の出来で良かったが、司会進行が残念なマイナス評価。
1700円の有料イベントとしては、総合68点(涙)がいいところか?


さて、今回も案内状が届いたので懲りずに参加。(笑)


私の龍馬イラスト展inお江戸 オープニングパーティ@森下文化センター


当日のプログラムを、変則的に紹介すると

《休憩》

19:55~

久住昌之ライブ

20:10~

セッショントーク
「時代を切り開いた先駆者たち~ガロ・COM マンガの時代」


2階 多目的ホールにて

開場が17:00、 開演時間 が18:00なので10分前に会場入り。

系列の古石場文化センターで前売券を購入済み(当日券は300円増)だったので、入場手続きもスムーズ。(当日券は、森下でのみ取扱いとのこと)


出演 南 伸坊(イラストライター)/長谷邦夫(漫画家)/手塚能理子(「アックス」編集長)
進行役:サエキ けんぞう

日本マンガの黎明期を象徴する二大雑誌をテーマに関係者、作家、愛読者が三つ巴で繰り広げるトークセッション。
龍馬が新時代を切り開いたように、日本のマンガ界では「ガロ」と「COM」がその先駆者となった。
日本マンガに夜明けは来たのか!?

出演者プロフィール

南伸坊・イラストライター

1972~1979年、「ガロ」編集長を務め、マンガというジャンルを越えたサブカルチャーの雄としての雑誌の地位を築く。

長谷邦夫・漫画家

赤塚不二夫のブレイン役として知られる。
「COM」で「バカ式」を連載。
先ごろ上梓した『あるマンガ家の自伝 桜三月散歩道』にも当時の模様が描かれている。

18:40~★華麗なる競演!ライブペインティング大会

"お題"「西郷隆盛」と「龍馬が現代にタイムスリップして、一番驚いたこと」をもとに、漫画家がイラスト対決!

(作品はイベント内で販売され、売上げは東日本大震災で被災された方々に寄付されるそうです。)

18:00~

あいさつ サエキけんぞう

18:05~

★ミニライブ サエキけんぞう&Boogie the マッハモータース/とり・みき

漫画家の"あの人"「とり・みき先生」が歌われました!

21:05~
プレゼント大会&色紙即売会は、来場者100人強に対して20くらい大盤振る舞いだった。(笑)

最後にみんなで「桜三月散歩道」を歌唱して終了!


著書が来場している書籍は、サイン入り販売となった割安感のある関連書籍を青林工藝舎さんと水声社が出張販売。音楽アーティストのCDなどのグッズ販売がありました。


〈出展作家も来場!〉は、

蛭子能収、後藤友香、島田虎之介、富崎NORI、とり・みき、花くまゆうさく、手塚能理子(「アックス」編集長) 久住昌之、真珠子さんでした。

主催・企画・制作
有限会社パールネット(プロデューサー サエキけんぞう)
イベント協力 青林工藝舎
共催 公益財団法人江東区文化コミュニティ財団/森下文化センター
Tel:03(5600)8666


今年の長谷邦夫先生からの年賀状には、


{『あるマンガ家の自伝 =桜三月散歩道』(水声社)が12月22日刊行です。
400字×千枚弱・写16ページの大冊となりました。
お読みいただけたら光栄です。
マンガ単行本も執筆中。
トキワ荘の真実・ファンタジー・パロディ!!!
で一冊。
版元決定で144Pは入稿のこり五月ごろには・・・・と。

長谷邦夫

2012・正月}


と有難いメッセージをいただいていたので、会場で著書(画像右下、定価3500円+税)を購入し、ちゃっかりとサインを入れてもらう。(笑)

私は、井上陽水さんのアルバム【氷の世界】に収録された「帰れない二人」や「おやすみ」と共に長谷邦夫先生が作詞した「桜三月散歩道」が大好きで、中学生の頃はいつも陽水さんの曲を聴きながら、永島慎二先生の作品世界に傾倒してた。
さて、イベント終了後、サエキけんぞうさんに初対面の挨拶、名刺交換をしに行くと、光栄にもスタッフの打ち上げにまで誘っていただけました。(笑)
打ち上げの参加者は、漫画家の先生方にバンドのアーティストのメンバーなど壇上の舞台に上がっていた方々に、書籍の出張販売をしてくれた出版社の編集者の人達など少数精鋭の20名強?
私は、幸運にも長谷邦夫先生の右隣の好位置をキープ。
先生の左隣には、映画についての著作がある古くからの友人の松島利行さん。
正面には、2月3日(金)~から【伝説の雑誌「COM」展」を明治大学米沢嘉博記念図書館1階展示コーナーで開催するスタッフの斎藤宣彦氏。
生前の米沢さんとは、斎藤氏も私も、面識がありました。
本来、私が監修した【少年画報大全】は、明治大学OB繋がりで当時・少年画報社の役員であり編集部長だった戸田さんから、米沢さんに依頼されていたもの。
コミケ代表など多忙を極めていた米沢さんは、直ぐに企画を進行させることが出来ず、数年間お蔵入りの状態。
痺れを切らした編集長の添田善雄さんから、極秘に情報を掴んだ私は、直ぐに出版企画書を作成し提出。
少年画報社の意向に沿うための厳しい条件を奇跡的に全てクリア出来た私は、大物研究者・米沢さんの代役として急遽大抜擢され幸運なデビューを飾ることが出来たのです。

さて、私の右側には、水声社の編集の方々、富崎NORI先生とも名刺交換。
帰りの電車では、花くまゆうさく先生と秋葉原駅までご一緒出来ました。
今回のイベントは、アーティストのコンサートなど盛り沢山の内容でとても割安感あり。
全ては、司会のサエキけんぞうさんのお人柄と、青林工藝舎社長の手塚能理子さんの人脈がそうさせたのか?とても楽しい一日となりました。
トーク内容についても、マニアック過ぎずに会場に来た多くの人達が楽しめる内容で前回のイベントとは違って大盛り上がり。
今回はお世辞抜きに本当に楽しいイベントで総合100点満点の大満足評価!(笑)


さて画像左下の書籍、松本正彦先生の【劇画バカたち!!】(青林工藝舎・2009年・定価1500円+税)は、昭和のマンガ史劇画誕生に興味のある人には絶対のおすすめ必須の一冊!
1996年、2001年発行(購入済み)の限定本を経てやっと出た(涙)完全版です!


【私の龍馬】イラスト展inお江戸

2012年1月27日(金)~2月12日(日)9:00~21:00
*2月6日(月)休館

1階 展示ロビー 入場無料
龍馬・幕末関連のマンガ、150冊ご用意
ご自由にお読みいただけます!

2010年春、長崎ハウステンボスを皮切りに、西日本各地で開催されてきた

「私の龍馬イラスト展」

が、東日本大震災チャリティー企画として復活します。
待望の東京展には新たな作品も加わり、これまでの規模を大きく上回る総勢50名以上の漫画家、イラストレーターが描き下した「坂本龍馬」が大集合いたします。
龍馬さんが、きっと今年の日本を明るくしてくれることでしょう。


今回から参加のアーティスト

出品アーティスト一覧

〈漫画家〉

いしかわじゅん、うえださと士、ウノカマキリ、江波じょうじ、大石容子、沖山潤、おだ辰夫、川崎タカオ、後藤友香、久住昌之、齋藤裕之介、とりみき、永田竹丸、長谷邦夫、ひさうちみちお、堀道広、南伸坊、向さすけ、山根青鬼

〈イラストレーター〉

さくらせかい

これまでの出品アーティスト一覧

〈漫画家〉

江川達也、江口寿史、蛭子能収、大岩ケンジ、清原なつの、久保ミツロウ、西原理恵子、島田虎之介、しりあがり寿、新條まゆ、根本敬、花くまゆうさく、東村アキコ、魔夜峰央、本秀康、柳内大樹、やなせたかし、やまだないと、山本ルンルン、ユキムラ、吉崎観音、吉田戦車、若杉公徳

〈イラストレーター〉

上野アモーレヒロスケ、小田切竜太郎、黒崎玄、佐野良之、真珠子、たま、寺門孝之、富崎NORI、POP

特別出品[書]:TAKAHIRO(EXILE)
以上、五十音順 敬称略

江東区森下文化センター

〒135ー0004
東京都江東区森下3ー12ー17

Tel:03ー5600ー8666

午前9時~午後9時
*休館:2月6日(月)
http://www.kcf.or.jp


現在の私の専門領域は、無声映画時代からの映画やアニメーションと大正・昭和の少年少女雑誌、少年少女小説、街頭紙芝居に絵物語、挿絵に音楽、ラジオ、テレビ、そして漫画史の研究になります。


《序章》

これから日本の戦後の漫画史、特に少年雑誌の歴史を知る上での必須アイテムになる一番有効な書籍は、私、本間正幸が監修し2001年に発売した


【少年画報大全】(少年画報社)定価2900円


である。
発売時に朝日新聞始め、毎日新聞、読売新聞夕刊、日本経済新聞や、雑誌の書評など当時の様々なメディアに大きく取り上げられた。
発売十年を過ぎてもロングランを続け、現在は三刷。
大学教授の肩書きを持つ著者が、発売数年で増刷もなく自由価格本となり、絶版の道を辿る多くのマンガ評論、研究本の類とは、明らかに一線を画しているのである。
紹介した漫画家さんや作家さんの本など、毎年のように復刊され続け、美術館や博物館などの企画展も開催されている。
藤子不二雄A先生の【怪物くん】や望月三起也先生の【ワイルド7】の実写映画化など、私が特集を組み、インタービューした先生方は、今や再ブームが起きているのだ。
ここ十年来、今だ【少年画報大全】を越える実証的な少年雑誌の研究書は出てこない故、今も古さを感じさせないようだ。
別冊付録として付けた

【冒険活劇文庫】(昭和23年8月発行)創刊號のオリジナル本は、当時の市場価格が数十万した稀少本。


それまでの漫画研究本と、【少年画報大全】が一線を画した理由、それは実証的なデータと徹底した図版重視による初の漫画史研究本であるからだ。


戦後、日本の漫画が諸外国と比べ、独特な変化を遂げることが出来たのには、手塚治虫先生の登場だけでなく、戦前からの街頭紙芝居【黄金バット】や【ハカバキタロー】の影響があることをいち早く提唱した。
街頭紙芝居から、【黄金バット】や【少年王者】、絵物語オリジナルとなる【地球SOS】が誕生。
絵物語が昭和20年代の少年雑誌の世界を席巻し、昭和30年代前半に【赤胴鈴之助】の空前の大ヒットで漫画が一般の人達の間でも市民権を得る。
戦前からの流れを汲む大資本の出版社から出ていた少年雑誌『少年クラブ』や戦後生まれの『少年』などは、A5版で読み物や少年小説など活字が主体のままだった。
戦後、街頭紙芝居の大ヒット作【黄金バット】を看板に、絵物語中心、判型が一回り大きなB5判で新たに立ち上げられた革新的な少年雑誌が『冒険活劇文庫』である。
後に『少年画報』へと発展し、僅か十年足らずで日本一の少年雑誌へと急成長を遂げる。
けれども、世の中が落ち着きを取り戻し、人々の生活水準が向上すると、大資本系列の光文社発行の少年雑誌『少年』へとその王座を譲り渡さなければならなくなる。
戦後の少年雑誌の歴史は、とてもドラマチックであり、史料も煩雑となるため、正しい全貌を把握するには、ある程度の専門性と知識が必要とされる。
戦後の少年雑誌において、漫画史的に一番重要な雑誌は『冒険活劇文庫』と『少年画報』の歴史である。
『少年』は二番手となり、『漫画少年』が、その後に続く。
少年週刊誌誕生となれば、『少年マガジン』『少年サンデー』『少年キング』『少年ジャンプ』『少年チャンピオン』の五大少年週刊誌の歴史を押さえればいい。
そして『ガロ』と『COM』『ヤングコミック』に『ビッグコミック』の青年誌の流れも押さえておけば、入門編(笑)はOKだろう。


映画と漫画史研究家


本間正幸
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