1時間おきに、夜勤のナース・ストーン(仮名)が来て、
血圧をはかったり、検温したり。
熱は38度まで出た。
あれこれと腰の痛みと戦いながら、うとうとする。
起床時間になり、電気がつくとやっと少し気が楽になる。
ベッドを45度ほど上げると、腰が楽になる。
朝食、少し食べる。
今日は隣のベッドのクリムゾンちゃんが、膝の靭帯の手術。
8時半に出棟した。
ナース・ブルー(仮名)が身体を拭いてくれた。
下に敷いた物を取り換えるのが一苦労。
人間の脚って、こんなに重いんだ。
アジカタ先生(仮名)が傷の消毒に来る。
アジカタ先生と、見たことのない童顔の先生と、ナース・ ブルーと、
3人がかりで、私の両足と間に挟んだ三角枕とを、ベルトでくくって、
せーの! で身体を横向きにする。
私はベッドの左側の柵を引き寄せるようにして協力する。
大間のマグロの解体ショーのようだ。
動かすと、泣き叫びたいほど痛い。
アジカタ先生は、
「おっ、どうした、どうした」
とか
「力抜いて、力抜いて」
とか、
やさしい言葉をかけてくれるので、
「痛い、痛い、痛い」と騒ぐ甲斐があるというものだ。
(↑変態)
消毒そのものは痛くないが、
くすぐったくて力が入ると、傷に激痛が走る。
「左脚はどんどん動かしていいから。
怖がって動かさないでいると固まっちゃうからね」
だそうです。
お昼過ぎに、手術を終えたクリムゾンちゃんが帰って来る。
青い顔を見ていたら、なんだか涙が出てきた。
3時に、夫と母が来る。
(るこも来てくれていた。
記憶が錯綜している)
まだ身動きとれないので、誰か来ると助かる。
さっそくリハビリの番頭先生(仮名)がいらして、リハビリ開始。
9時頃うとうとしていたら、
「KENさん」
と呼ばれて目が覚めた。
見覚えのないハンサムな先生が微笑んでいる。
はてな、新しい先生かしらと3秒ぐらい見つめた後で、誰だか気づく。
「N(♂)先生!」
かなり嬉しそうな声が出たと思う。
母の主治医、5年前に母の手術をしてくれたN(♂)先生だった。
今回の入院中、婦人科の漢方薬はN(♂)先生のグループが面倒見てくれているのだ。
5年ぶりに見慣れた先生に会えて嬉しかったのだ。
髭をたくわえていらしたので、すぐにはわからなかった。
「大変な手術でしたね。また来ます」
と言って帰って行った。
なんだか長い長い一日。