現代川柳 '23ー①②
1/11 互選「ブーメラン」
・ブーメラン戻ってこないへそ曲がり
・帰って来いよブーメラン投げ待ちぼうけ
・陰口の幾多廻ってブーメラン
宿題「花」
・春風に花一匁初投句
・花籠部屋の大横綱が好きでした
・再びの桜花を愛でる双葉町
・春一番花もしっかりしがみつく
「自由吟」
・砲弾の飛び交う中の初日の出
・雑踏の中マスクを付けた犬がいく
・森の中新芽に風がそっと吹く
・新春と逢いたくなった散歩道
・居酒屋の一人だけです魔の時間
<伝統と革新>
<伝統川柳> <革新(現代)川柳>
・一読明解を好む ・理屈を捨てて踊る
・殻を抜けると迷う ・同じ答えを嫌う
・穿ち軽みをひねる ・感じてくれと叫ぶ
・筋を通せとがなる ・何処まで飛ぶか競う
・頷くことが好きな ・これは何だを好む
・枠から外へ出ない ・ピカソの絵から学ぶ
・見付けがよいと誉める ・比喩の多様を好む
・マンネリの湯につかる ・闇に光を探す
・日常瑣事(さじ)を拾う ・意味求めると困る
・絵の見える句を好む ・如何物食いが好きな
*村田倫也氏 寄稿(川柳銀の鈴2023.1月号より)
2/8 互選「無人島」
・無人島あれは日本の領土です
・「無人島」新地のバーで雨宿り
・無人島地下トンネルで何処続く
・堀の中天皇陵は無人島
・あの孤島漂流記のあと無人島
宿題「笑う」
・笑い上戸が止まらないほど笑い茸
・笑う人しかめっ面と対峙する
・猿が木から落ち大笑いする下の犬
・取り合えず笑ってここは箱の中
・スクリーンで大笑いした後一人
「自由吟」
・花粉とぶハチャメチャの春砂時計
・善い人が通り過ぎた後黒い影
・胃も腸も人間ドックで息をつく
・梅一輪南千里に道祖神
・卒業証書もらった筒は空だった
2/22 互選「ひとめぼれ」
*カメレオン君の瞳にひとめぼれ
*ひとめぼれ食べてほっこり玉手箱
・北新地明日はどなたにひとめぼれ
・カバとサイ鏡の前でひとめぼれ
宿題「点」
・目が点に裸で遊ぶ雪ダルマ
・懐に手を入れ幾分加点する
・黒点を認めて生きて灰となり
「自由吟」
・絶壁の後先知らず飛んだ河馬
・猛吹雪耐える蓑虫哲学者
・淀川を渡ったとこが新天地
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