コスラエの廃油焼却炉
2014年申請当時の廃油ドラム缶
2012年3月~2014年3月コスラエ州で活動。12プロジェクトを提案し、内9プロジェクトが任期内に完成。完成できなかった3プロジェクトの一つが、廃油焼却炉。
廃油焼却炉購入・据付工事・建屋財源として、在ミクロネシア日本大使館に「草の根人間の安全保障無償資金協力」をお願いしようと、申請書をコスラエ離任の前日(2014年3月14日)に完成させ、当時のウエストン公共事業局長に提出を依頼。後ろ髪をひかれる思いで15日にコスラエを離れた。日本で結果を待っていたが、数か月経っても提出された様子が無いので、日本からメールでプッシュし、ようやく提出。しかし、在ミクロネシア日本大使館から不承認通知書が2015年2月に来たとのこと。非常に残念ではあるが、任期後で他の財源を探すことが出来ないので、このプロジェクトをあきらめた。
今回ヤップ州に赴任し、ヤップ州での廃油焼却炉導入の可能性を探るために、コスラエのその後を聞いてみると、ODA(政府開発援助)案件の「コスラエ州電力セクター改善計画」が採用され、その中の設備の一つとして廃油焼却炉が納入されたとのこと。申請と同じ日本メーカーで、仕様も同じ。提案・申請から5年経た、2019年春に改善工事完了、期せずして廃油焼却炉が納入された。
コスラエ赴任時代の私のカウンターパート(ハイロム)が、その後コスラエ公共事業公社(発電所)に移り、本案件を担当したらしい。人脈は本当に面白い偶然を起こす。彼はその後、彼と私の当時の配属先だったコスラエ州公共事業局に戻り、今は局長とのこと。艶っぽい話ではないが「縁は異なもの」である。
当時の申請は、発電所からの廃油・自動車の廃エンジンオイル、使用済み料理オイル等を焼却処理する計画であった。しかし、今回の計画は、新設の発電用ディーゼルエンジンから出る廃油のみを処理するとのこと。発電所の立場からすると、設備を長く適切に使用するのに気を付けるのは分かるが……。曰く「ディーゼルエンジンから排出されるディーゼル油や潤滑油等の廃油による環境汚染が発生しないように発電所建屋屋外に油と水を分離するための重力式油水分離槽と最終分離ユニットを設け2段階で分離された後、処理水は排水溝へ流出させ、油は環境汚染しないよう焼却処理する」。
坂根篤(ノバ)
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