ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

19年度2次隊 満江 友紀

2008-11-30 13:57:10 | 隊員活動紹介
配属先:ヤップ州 環境保護局(EPA)

ミクロネシア連邦4州の一番西端にあるヤップ州。東西1200キロの海域に138の島があり、そのうちの22島に人々が住んでいます。ヤップ州総人口11,000人、うち約7,000人が暮らすヤップ本島は4つの島からなり、1つの島を除く3つの島は橋で繋がっています。生活様式は年々近代化が進んでいますが、石貨、集会場、石畳の小道、酋長制など、ヤップの人々は昔からの伝統的文化・習慣を代々受け継ぎ暮らしています。

さて、私の配属先ヤップ州EPAは現地スタッフ6名からなる小さなオフィスで、廃棄物管理課、危険物管理課、水質管理課、環境啓発課の4課で構成されています。私は環境啓発課長?(残念ながら現地スタッフがいないため)。おもな活動は住民への環境啓発に繋がる企画を考えて実行すること。そして他のスタッフのお手伝い。水のサンプリング、不法投棄の見回り、バッテリーの回収、ワークショップのセッティングなどなど、なんでもやります。
とにかく出来ることから少しずつ!が私の活動モットーです。

ヤップ州も他州同様、ゴミが一番の問題です。ヤップ島はほとんどか私有地のため無断で立ち入ることができません。なのでEPAとして村の中を巡回することは島のゴミの様子を知るためにはかかせません。きれい好きなヤップ人、街は一見きれいなのですが、見えないところにはやっぱりゴミが多いなーと感じます。
ゴミを減らすにはゴミの分別。これまでヤップではリサイクルのためアルミ缶の回収のみ行っていましたが、来月からプラスチック、ガラス瓶の回収も始まります。これと同時に啓発活動も!ということで今新たな企画を進めています。

いろんな壁にぶち当たっては挫けそうになるけれど、いつもまわりに助けられます。
そして遠く離れてはいるけれど、こうして一緒にFSMのために活動する他州の環境隊員の存在。
たくさんの人に支えられて感謝の気持ちでいっぱいです。
「Kammagar」‘ありがとう’が私のチカラになります。

残りの任期10か月、今まで通り出来ることから少しずつ。
大好きなヤップのためにヤップの人と!

写真はEPAで作ったアルミ缶回収BOX。

キャンペーン in Utwe & Malem。

2008-11-28 14:53:31 | コスラエ州
コスラエ州でのクリーンアップキャンペーンは多くの関係機関の協力を得て行われています
ゴミ収集サービス提供のためには、ゴミ収集車、ダンプトラック、ディーゼル、ハイドロリックオイル、オペレーター、ゴミ収集スタッフが必要になります。
今回、Lelu市役所からゴミ収集車、ダンプトラック、オペレーターを、ヘルスサービス(公共医療機関)からディーゼル($1000相当)、ハイドロリックオイル($100相当)を、パブリックセーフティー(警察機関)からゴミ収集スタッフ(囚人)4名を、各市役所からランチと飲み物を、またJICAからディーゼル($500相当)を提供してもらうことができました。

11/19-21、Utwe(23家庭)から
13 ドラム(1ドラム=53ガロン)分の一般ゴミ
35 トラッシュバッグ分の一般ゴミ
10 Tin roof
5 大型ゴミ(家電など)
4 タイヤ&リム

11/24-26、Malem (28家庭)から
10 ドラム(1ドラム=53ガロン)分の一般ゴミ
59 トラッシュバッグ分の一般ゴミ
62 Tin roof
16 大型ゴミ(家電など)
5 タイヤ&リム
を回収しました。

来週、Tafunsakでの収集を行えばコスラエにある全自治区でのクリーンアップが終了します

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19年度2次隊 森田 理絵

2008-11-19 20:36:52 | 隊員活動紹介
配属先:コスラエ州運輸・インフラ局(DT&I)
道路の修理・管理や公共車両の整備、上下水道の保守管理といった公共サービスの提供を行う州政府機関。日本でいう県の土木課のようなところ。

私の任地はミクロネシアの4州の中で最も人口が少なく(8000人弱)、10×10kmという小さい島のコスラエ州。町には小さい商店があるだけで娯楽施設は皆無、静かでのんびりとした雰囲気で、目が合うとにっこり微笑む穏やかで優しい人々と一緒に暮らしています。
 
コスラエは観光地化されていない未開発な自然に恵まれているのですが、島は輸入に頼っているのでモノの流れが一方通行、ごみが増え続けています。定期的なごみ回収システムがなく、各自治体にごみを運び野積みするだけ(Open dumping)の不衛生なごみ捨て場が一つずつあるだけ、ごみを運ばない家庭は家の裏庭や道路の脇にごみを投棄しています。日本では当たり前な「適切にごみを出す→適切にごみを集める→適切にごみを処分する」というシステムがこの島にはありません。
 
そこで私は「適切にごみを処分する」ための衛生的な廃棄物処分場を建設する『コスラエ州廃棄物管理改善計画プロジェクト』に携わっています。衛生的な処分場というのはOpen dumpingの不衛生なごみ捨て場の一つを「準好気性埋め立て構造(福岡方式)」に改善します。この構造を簡単に説明すると、ごみで汚れた水を速やかに集め、かつ電力を使わず自然に外部空気を取り込むことでごみ山の中を好気性に保ち、分解と安定を促進する仕組みで、環境への影響を減少させることができます。日本の処分場では一般的に使われている技術ですが、ミクロネシア国で初の衛生埋立処分場となります。前任の方によって、2006年在ミクロネシア日本大使館の草の根無償資金協力として承認されたプロジェクトを引き継いでいます。
 
赴任当初は苦労しました。2007年に終わっていたはずの工事は途中で頓挫していたこと、プロジェクトの資金が尽きていたこと、配属先のボスが赴任前に変わっていて、私の派遣を理解していなかったこと、配属先は予算も人も機材も削減・縮小化されている部署であること、毎日雨が降るコスラエで、「雨が降らない日が3日続けば仕事する」と現実味のないことを言われたこと。ないないづくしの配属先で、私は何しにここへ来たのか?何ができるのか?と模索する日々が続いた時期はつらかったです。

でもいつも救われていたのは「顔はいかついけどクマのプーさんのような体型でいつも優しく声をかけてくれる同僚たち」でした。炎天下の中一緒に汗を流し、休憩時間になると冗談や下ネタを言っては大笑い。雨が降れば今日はおしまい。そんなゆっくりとしたコスラエペースでしたが、派遣されて1年経過した2008年10月末、関係者皆様のお力添えのおかげで廃棄物処分場は完成に至ることができました!


今まで怒ったり泣いたりしたことが全部吹き飛んでしまいました。
完成した処分場の決められた場所にごみが搬入されていく様子を見て、ひとり感動したものです。

残りの任期では、この処分場を持続的かつ適切に運営管理できるよう配属先のスキルアップを目指すことと、この処分場をもっと住民に知ってもらうこと、少しでもこの処分場を長く使ってもらうためにも住民へごみの分別化と減量化を広めていこうと思います。  

不衛生だったごみ捨て場(Open dumping)を

閉鎖し現在美化改善中。。


処分場で働いていると、ごみを観察しているうちにアイデアがひらめいたり、島の人から「ごみ処分場でいつもごみ拾いしているSrue(私のコスラエ名)」とか「ごみ処分場の前を通るとSrueを思い出すよ」と嬉しいような悲しいようなコメントをくれたり。そんな私は今日もごみにまみれて?活動しています。願わくは大好きなコスラエ島を後世へ美しいままで残せるようにしたいです。


2008年8月20日隊 志垣 貴子

2008-11-18 12:04:30 | 隊員活動紹介

「汚いなぁ~」

っていうのが私の最初のこの島での印象。

残念です。

だって「南の島~♪」だなんて聞いたら
パソコンのデスクトップスクリーンにあるような画を思い出しますよねぇ。
でもここにはそれがない!!!

ポンペイ島には白い砂浜のビーチはなく
周囲をマングローブで囲まれています。

私はミクロネシア連邦、ポンペイ島に赴任されました。
ここはこの国の首都があります。
他の州の中で一番栄えている島です。
まだ来て3か月程。
今この国にいる環境隊員の中で新人です!


空港から中心部へ向かう際
ポンペイ島で使用している唯一のゴミ処理場を通過します。

といってもただの「埋め立て地」。
すべてのゴミを一緒くたに持ってきて、
ただ埋めている(山盛りに盛る?)という
斬新なことをしています。

そう、この島ではゴミに対する知識や考えが甘い!
街はごみで散らかり放題。
分別をしない、ポイ捨ては平気。
TVやラジオといったメディア媒体がこの島にはしっかりあり
他の途上国とは少し様子が違う部分があります。

そう、人々はちゃんと環境が悪化していることを知っていて
何がいけないとか、いろんな情報を教授できる状況にいるんです。
ただ、甘い。甘い、甘い!!

海面上昇とか、汚くなっていく川や街を、
目の前に住んでいる現地の人が
な~んにも本気でトライしようとしない。
人々だけでなく、国も、州も。


でも幸いなことにごく一部の人が気がついて、
どうにかしようとしています。

たとえば私の配属先CSP(Conservation Society of Pohnpei)は
本当にアツいパッションを持った、
現地人が中心となっているNGOの環境保全団体です。
→http://www.serehd.org/
これはCSPのWEBサイトですよければ見てください。



*ついこの間私たちは
アメリカが主導するパートナーシップ
(310の世界中の環境保全団体エントリー)の中から
2008年度、この地域において優秀な活動をおさめた
Equator Prizeを受賞しました。
この受賞は地元新聞、太平洋州地域のネットニュースに掲載され
大きく評価されています。
http://www.pacificmagazine.net/news/2008/11/05/conservation-society-of-pohnpei-receives-international-award

私は本当のところ、緑の問題に取り組みたくてJICAに応募し
JICAで活動することを決めて来ました。
でも場所によっては、あまりにも人々の衛生状況を考慮して汚い!
それがこの島の一番の環境問題だと感じて
ゴミ問題の着手に向いてきています。

私の活動がどういうふうに2年後足しになっていることがあるのか、
まったくの未知数ですが、それでも私はとりあえず「やってみます」。
前職や学歴など、何を考慮しても私には解決のための経験値は0。


ど素人に何ができるんだ!


その視点から、遠く小さなマニアックな島で
ごにょごにょしているシガキの動向にご興味のある方は、
このページを通してお付き合いください。

19年度 2次隊 彌永 和子

2008-11-17 11:47:13 | 隊員活動紹介
配属先:コスラエ州資源管理委員会(KIRMA)/サニテーション

グアムから飛行機で約3時間半、途中チューク、ポンペイを経由してコスラエ州に到着します
要請内容は、"水質調査の実施・技術移転、水質管理に関する住民への啓発活動"。
この島には廃液を流すような工場は1つも無く、問題となるのは生活排水です。処理施設がないため排水はそのまま海へ流れ込み続け、そしてそこには500種類を越すカラフルな魚が生息し珊瑚が広がっています。
島には3つの山が連なり、10箇所の貯水池から各家庭にパイプが引かれています。塩素処理はされておらず飲料水には適していないため、多くの家庭は雨水をタンクに溜め利用しています。
現在、サニテーションではそのタンクの水質検査を実施していますが、大腸菌が検出されることも多く、住民に対する啓発活動を続けていく必要があります
KIRMAは環境全般の問題に取り組んでおり、環境教育を主に手伝っています。
残りの任期は、10ヶ月。"大腸菌不検出"になる日を夢見て、コスラエの人たちと共に頑張っていきたいです

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