「草の根人間の安全保障無償資金」ごみ収集車調印式(杉山臨時代理大使、Mr. Henry S. Falanヤップ州知事)
購入予定と同じ仕様の収集車
現状:フラットベッドトラックに人力で収集
Refuse Collection Compactor Truck for Yap
ヤップでの活動計画の一つが、ごみ収集車の導入。
ごみ収集の現状は、州都コロニア地域の公共施設のごみを、公共事業局委任の民間収集業者が、フラットベットトラックで収集している。2トン積トラックなので、ごみの比重を考えると、実際の今積載重量は約0.3~0.4ン/トラック。その為、収集回数が多くなり(ほぼ毎日)、人件費、ガソリン代、トラック損料等、収集費用が嵩む。何よりも気になったのが、その作業環境の悪さ。まさに3K(きつい、汚い、危険)。ごみ容器一つの容量が55~60ガロン(208~227リットル)、重量は30~45キログラム。この容器をトラックの荷台まで持ち上げ、中身を投げ出し、寄せる作業が続く。しかもごみ容器の中身に虫が湧いていることも……作業員は素手、ゴム草履。
この状況を改善するために、ごみ収集車(コンパクタートラック)を提案し、在ミクロネシア日本大使館に「草の根人間の安全保障無償資金協力」を申請した。2019年5月申請、8月承認、9月調印。積載重量が4.4トンなので、コンパクタートラックが1往復して集めるごみ重量と、2トントラックが10数回往復して集めるごみ重量が同じとなる。大幅な効率アップ・経費節減・エネルギー節約になるばかりでなく、作業員の負担が大きく軽減される。収集回数が減るだけでなく、1回の収集に要する労力も少なくて済む。なぜならば、コンパクタートラックの投入口が低いので、ごみ容器のごみを腰より低い水平移動で投入できるから。
ヤップでは、収集地域の拡大を計画している。現在は州都コロニア地域の収集であるが、2019年10月から、近郊6村のごみ収集をパイロットプロジェクトとして開始。その結果を見て、ヤップ州メインアイランドの収集に拡大する意向。この計画を実現するためにも、本コンパクタートラックが必要となる。
今回の申請に関しては、多くの方々の協力・支援を得た。ごみ収集車の基本仕様を教えて頂いた元チューク環境隊員、マーシャルの米国製収集車の情報を送って頂いたシニア海外ボランティア、仕様確定・見積に協力して頂いた各メーカー・貿易会社、そして本プロジェクトを承認して頂いた大使館、この場を借りて感謝申し上げる。
坂根篤(ノバ)