ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

ヤップのごみ収集車

2019-09-28 08:03:20 | ヤップ州
「草の根人間の安全保障無償資金」ごみ収集車調印式(杉山臨時代理大使、Mr. Henry S. Falanヤップ州知事)

購入予定と同じ仕様の収集車


現状:フラットベッドトラックに人力で収集

Refuse Collection Compactor Truck for Yap
ヤップでの活動計画の一つが、ごみ収集車の導入。

ごみ収集の現状は、州都コロニア地域の公共施設のごみを、公共事業局委任の民間収集業者が、フラットベットトラックで収集している。2トン積トラックなので、ごみの比重を考えると、実際の今積載重量は約0.3~0.4ン/トラック。その為、収集回数が多くなり(ほぼ毎日)、人件費、ガソリン代、トラック損料等、収集費用が嵩む。何よりも気になったのが、その作業環境の悪さ。まさに3K(きつい、汚い、危険)。ごみ容器一つの容量が55~60ガロン(208~227リットル)、重量は30~45キログラム。この容器をトラックの荷台まで持ち上げ、中身を投げ出し、寄せる作業が続く。しかもごみ容器の中身に虫が湧いていることも……作業員は素手、ゴム草履。

この状況を改善するために、ごみ収集車(コンパクタートラック)を提案し、在ミクロネシア日本大使館に「草の根人間の安全保障無償資金協力」を申請した。2019年5月申請、8月承認、9月調印。積載重量が4.4トンなので、コンパクタートラックが1往復して集めるごみ重量と、2トントラックが10数回往復して集めるごみ重量が同じとなる。大幅な効率アップ・経費節減・エネルギー節約になるばかりでなく、作業員の負担が大きく軽減される。収集回数が減るだけでなく、1回の収集に要する労力も少なくて済む。なぜならば、コンパクタートラックの投入口が低いので、ごみ容器のごみを腰より低い水平移動で投入できるから。

ヤップでは、収集地域の拡大を計画している。現在は州都コロニア地域の収集であるが、2019年10月から、近郊6村のごみ収集をパイロットプロジェクトとして開始。その結果を見て、ヤップ州メインアイランドの収集に拡大する意向。この計画を実現するためにも、本コンパクタートラックが必要となる。

今回の申請に関しては、多くの方々の協力・支援を得た。ごみ収集車の基本仕様を教えて頂いた元チューク環境隊員、マーシャルの米国製収集車の情報を送って頂いたシニア海外ボランティア、仕様確定・見積に協力して頂いた各メーカー・貿易会社、そして本プロジェクトを承認して頂いた大使館、この場を借りて感謝申し上げる。

坂根篤(ノバ)

ヤップのクリーンデー(臨時)

2019-09-21 13:36:37 | ヤップ州
Yap Cleanup Day
「ヤップのジョギング」で少し述べたが、ヤップ州ではデング熱が流行しており、公立校は学級閉鎖。急遽、9月13日(金)・14日(土)はコミュニティの、16日(月)は官公庁のクリーンデーとなった。13日(金)、官公庁は急遽お休み。コミュニティのクリーンデーで埋立場に搬入されたごみは、二日間でトラック延べ265台、推定ごみ重量は76.4トン。この埋立場に通常搬入されるごみ量は1日5.65トンなので、この二日間で、通常の2週間分のごみが搬入されたことになる。これがヤップ「やるときはやる!」。
16日(月)は職場(公共事業運輸局)のクリーンデー。掃除、草刈り、のみならず、伐採まで!
公共事業運輸局のクリーンデー、伐採まで

ホイールローダーで大型ダンプトラックに積換え

きれいになった公共事業運輸局

2日間で2週間分のごみが搬入された

坂根篤(ノバ)

はじめまして

2019-09-21 04:06:19 | Weblog
はじめまして。

2019年度1時隊 田中大樹です。

私はコスラエ州資源管理局に配属されています。

任地に来て約1ヶ月半がたち、現地語に苦戦しながらも徐々に生活に慣れてきました。

最近は学校で授業を行ったり、クリーンアップをしたり、汚染調査について行ったり、エッセイコンテストを行なったり、ラジオショーを行なったり、色々とお手伝いさせてもらっています。

私が配属されているコスラエ州資源管理局は①環境の評価、保護 ②海洋調査、保護 ③森林と野生生物の保護 ④環境教育 ⑤歴史、文化の保全の5つの部門に分かれています。

私はこの中の環境教育部門に配属されていますが、他の部門の方々にも良くしてもらい、色々な活動に連れて行ってもらいます。



日々わからないことばかりですが、多くの方々の支えていただき、本当に感謝しています。

課題はたくさんありますが、一歩一歩この島の方々と一緒に前に進んでいけたらと思います。



ヤップの縁は異なもの(コスラエの廃油焼却炉)

2019-09-14 09:19:30 | ヤップ州
コスラエの廃油焼却炉

2014年申請当時の廃油ドラム缶

2012年3月~2014年3月コスラエ州で活動。12プロジェクトを提案し、内9プロジェクトが任期内に完成。完成できなかった3プロジェクトの一つが、廃油焼却炉。

廃油焼却炉購入・据付工事・建屋財源として、在ミクロネシア日本大使館に「草の根人間の安全保障無償資金協力」をお願いしようと、申請書をコスラエ離任の前日(2014年3月14日)に完成させ、当時のウエストン公共事業局長に提出を依頼。後ろ髪をひかれる思いで15日にコスラエを離れた。日本で結果を待っていたが、数か月経っても提出された様子が無いので、日本からメールでプッシュし、ようやく提出。しかし、在ミクロネシア日本大使館から不承認通知書が2015年2月に来たとのこと。非常に残念ではあるが、任期後で他の財源を探すことが出来ないので、このプロジェクトをあきらめた。

今回ヤップ州に赴任し、ヤップ州での廃油焼却炉導入の可能性を探るために、コスラエのその後を聞いてみると、ODA(政府開発援助)案件の「コスラエ州電力セクター改善計画」が採用され、その中の設備の一つとして廃油焼却炉が納入されたとのこと。申請と同じ日本メーカーで、仕様も同じ。提案・申請から5年経た、2019年春に改善工事完了、期せずして廃油焼却炉が納入された。

コスラエ赴任時代の私のカウンターパート(ハイロム)が、その後コスラエ公共事業公社(発電所)に移り、本案件を担当したらしい。人脈は本当に面白い偶然を起こす。彼はその後、彼と私の当時の配属先だったコスラエ州公共事業局に戻り、今は局長とのこと。艶っぽい話ではないが「縁は異なもの」である。

当時の申請は、発電所からの廃油・自動車の廃エンジンオイル、使用済み料理オイル等を焼却処理する計画であった。しかし、今回の計画は、新設の発電用ディーゼルエンジンから出る廃油のみを処理するとのこと。発電所の立場からすると、設備を長く適切に使用するのに気を付けるのは分かるが……。曰く「ディーゼルエンジンから排出されるディーゼル油や潤滑油等の廃油による環境汚染が発生しないように発電所建屋屋外に油と水を分離するための重力式油水分離槽と最終分離ユニットを設け2段階で分離された後、処理水は排水溝へ流出させ、油は環境汚染しないよう焼却処理する」。

坂根篤(ノバ)

ヤップのジョギング

2019-09-07 16:28:24 | ヤップ州
チャモロ湾全景

ヤップ州都コロニアの中心に、チャモロ湾がある。そのチャモロ湾の回りを一周できる湾岸道をジョギングするのを日課にしている。湾岸道の南側の丘に私が住んでいるアパートがある。アパートから周遊道まで約150m、往復0.3km。周遊道一周が約1.9km。アパートを出て湾岸道を一周回りしてアパートに戻ると、合計2.2km。軽く汗をかくのにちょうどよい距離だ。

2018年10月末に赴任して、11月末に体重を量ったら思ったより増えていたので、12月からジョギングを始めた。初めは歩くより少し早い程度だったのが、タイムを計っていたので、走る時間が短くなるのが面白く、だんだん早く走るようになった。今年の3月、新記録を出した日のこと、心臓バクバク、胸が苦しくなり、しばらくその場で安静。健康維持の為にジョギングを始めたのに、かえって体を悪くしていることに気づき、4月からは歩くよりは少し速い程度で再開。7月に時計が壊れたこともあり、今では時間を気にせず、のんびり走っている(歩いている?)。

ジョギングの敵は、雨と犬。コスラエでは、頻繁に降る、しかもなかなか止まない雨と、人を見ると襲ってくるどう猛な犬の為、ジョギングなんて考えられなかった。しかし、ここヤップでは、雨は降ってもしばらく待っていれば止むし、犬はおとなしいので、飲み会以外のほとんど毎日OK。

出発点のアパート(左側)
アパートの前の道を下ると湾岸道にでる

500m地点の魚屋
1000m地点の警察署
1500m地点のグアム銀行
アパートに戻る坂道に到着

他国の入り江で、大量の「プラスチックごみ」が浮遊していのを、写真等でよく見るが、ヤップのチャモロ湾では「ごみ」をほとんど見かけない。レジのプラスチックバッグを法律で禁止したことも一因かもしれないが、各コミュニティの人たちが、自分たちの地域を、自主的に、頻繁に、掃除する為だと思う。検査を伴うクリーンデーは年4回。それ以外にも随時草刈り・掃除をしている。湾内も掃除している。これがヤップ‼
(ヤップではデング熱が大流行中、急遽来週臨時クリーンデーになるそうだ。蚊の居そうな所、発生しそうな所を掃除するとのこと。)

引き潮の時でも湾内にごみが見当たらない

坂根篤(ノバ)