ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

ワイヤービン製作と配布(1)

2013-02-28 13:52:33 | ヤップ州
少し前になりますが、昨年秋から本年はじめに掛けて、ヤップ州環境局(EPA Yap)ではJICAの応援のもと街の美化と資源リサイクル促進のために、通称ワイヤービン(金網製ゴミ籠)を手造りし学校や公共施設に配布する事となりました。
ワイヤーロールを買ってきて丸胴と底のパーツを切り出し、あとはひたすら編んで繋ぎ合わせて行きます。 適当な道具(いわゆる長爪のラジオペンチ)がなくペンチやプライヤを使ってなんとか60個(=30組、アルミ缶及びPETボトル用で一組)が完成しました。 "Aluminium" と"PET Container"のラベルも手造り、アルミの端材をカット、これも手造りのステンシルを使ってブルーとグリーンの下地に白文字を書き入れて行きます。 ヤップデイ(ヤップのお祭り、今年は3月1-2日)が終われば各所を巡回し配布する予定です。



余談ですが、通りがかりの大人も子供達にも手伝ってもらいました。 
小学生高学年には算数の問題として、絵をかいて説明しながら・・・
1. How many bins we can make from one roll(110ft long & 24 inch wide)?? As hint, we need 70 inchi for round body and 24 inchi for bottom.>>> Ans: 14個で少し余る= 110 x 12 / (70 + 24)

2. Why or how define 70 inch for round bosy to fit against 24 inch radius bottom??>>> Ans: 70 / 3.14 = 22.3 実際には折込みしろを両端出見込むと24 inchとなる。

ポカンとする子や伝統的(?)に70インチでカットするのを覚えている子もいますし、初めて算数の実用に興味を持った顔をする子もいて面白い経験をしました。 横で聞いている大人は一様に恥ずかしそうに後ずさり致します・・・

ワイヤービンの製作手引きをご希望の方は下記までメールでお問合せ下さい。

JICA シニアボランティア ヤップ活況保護局(EPA Yap)勤務 東 哲朗(通称 TETSU) azumammj4763930@gmail.com

2013年1月 最後の隊員総会&ホーンコレクション@Nantaku

2013-02-16 08:40:20 | チューク州
今年の八王子は特に雪が多いようですが、いかがお過ごしでしょうか。山あいの地域でごみ収集が安全に行えているか心配です。今年になり早くも1か月が過ぎましたので、先月の活動を報告していきます。


その前に突然ですが、ここでクイズ。

Q. チューク語に多く残る日本の言葉。次のうち、チューク人の間で実際に使われているものはどれでしょう。
①デンキ(電気) ②セキニン(責任) ③ゾウリ(草履)

<正解は最後で>


1.平成25年1月の活動
先月は首都ポンペイでボランティア総会がありました。私にとっては4度目で、今回が最後。活動報告会では、これまで1年半の活動を最終報告という形で発表しました。振り返ると様々なことを行わせていただきましたが、まだやるべきことはたくさんあり、残された期間で同僚にしっかりと引き継いでいくことをこの報告を通じて決意しました。

また、職種別分科会では、環境教育と廃棄物処理を職種とするボランティアで集まり、これまで話し合ってきた商業系ごみの発生量調査(J-AWARE3)について詳細を詰め、2月から実施していくことを決めた他、現在ミクロネシア全4州で課題となっているリサイクル可能な有価物(廃車や廃家電など)の海外輸送について、各州で連携していくこと等を確認しました。
特にリサイクル連携については、ヤップ州のシニアボランティアが運搬船会社との調整を実際に進めており、今後の進捗に期待しています。



最終日にはこのメンバーでOEEM(環境に関連する連邦政府機関)を訪問し、意見交換も行いました。(詳しくは「最後のボランティア総会@ポンペイ」)




さらに嬉しい改善が。昨年の夏より定期的に訪問を行っていた州立病院で、医療ごみと一般ごみの分別を容易にするためにアドバイスしていた異なる色のごみ袋の使用が始まっていました。医療ごみを透明なごみ袋に、それ以外の一般ごみを黒色のごみ袋に入れるようになっています。これにより、以前にあった勘違いによる埋立場への医療ごみの投棄を防ぐことができます。
注射針や血液が付着したチューブなどの医療ごみは、病院で所有する焼却炉で焼却してから埋立場へ。この適切な処理方法を継続するよう今後もフォローしていきます。


2.ホーンコレクション@Nantaku
先月は、3つ目の村となるNantaku(ナンタク村)でホーンコレクションをスタートしました。



Nantakuはウェノ島中央の山あいに位置しています。「ナンタク」は日本統治時代に用いられていた南洋開拓もしくは南洋拓殖という言葉に由来しているとのこと。現在は住居の他に政府庁舎が集まっており、州立病院や学校もあります。そして山あいというロケーションから、家の周りや川にごみが散乱している様子が目立ちます。(逆に言うと、海に面している村では、海にごみを捨てているということでしょう・・・)





このような状況を一刻も早く改善するために、ボスからも急かされながらこの地域での収集を先に行うことを決定しました。


収集開始前日に行ったワークショップでは、これまで同様に短期大学の他、先月より新たに地元のNGOに配属されたJICAボランティアも来てくださりました。今回は同僚に任せ、ラジオのみで周知を行ったために、参加者が少人数となってしまったことが、内容が良いものだっただけに残念でした。




2月1日から開始したホーンコレクションですが、周知不足にも関わらず初日から105袋を収集。どうやら一部の世帯では、日常的にごみをごみ袋にため込んでおり、定期的に車で40分ほどかかる埋立場へと独自に運んでいたようです。



このエリアはほとんどが坂道であるため、収集員にとってはハードとなりますが、これからホーンコレクションを周知していくことにより、収集量を増やしていきたいです。


3.この一カ月を振り返って
 協力隊の2年間で最後となるボランティア総会を終え、残りされた期間の課題は現地スタッフへの引き継ぎであることを認識しました。そこで、目前に控えていたNantakuでのワークショップを同僚に任せることを決意。場所の確保から日時の設定、住民への周知全てを同僚に行ってもらいました。

これまでの私のやり方では、その地域の中で積極的に活動している方、協力してくれる方を探し出し、その方と話し合って詳細を決め、住民にも周知を行ってもらっていたのですが、今回の同僚が行ったのはラジオでの周知のみ。アドバイスを何度もしてみたものの「これでうまくいく」との一点張りでした。それなら一度やらせてみようということで当日を迎えましたが、ラジオを聞いて来てくださった方はわずか2名。これまで4回行ったワークショップでは20~30名程集めることが出来ていただけに残念な結果となってしまいました。

私としては今後もサポートはしつつも、彼らに主体的に行ってもらおうと考えています。任期の最後には首都での表敬訪問等があり、6月中旬にはチュークを離れることになるため、残された期間は4カ月余り。この間に、MechitiwとNeauwoという2つの村にまでホーンコレクションを拡大したいと思っています。今後は今回の教訓を活かして、仕事に責任感を持って取り組んでくれると良いのですが。。。彼らを信じて、彼らと共に挑戦していきます。


<冒頭のクイズの答え>

A.正解はすべて
 ①デンキ(電気) ②セキニン(責任) ③ゾウリ(草履)の3つともチューク語として使われている言葉です。チューク語には多くの日本語が残っていて、そのほとんどは日本人が持ち込んできたものがそのままチューク語として残っているそう。会議に出ている時に「セキニン」という言葉をチューク人の口から何度も聞いた時はビックリ。チューク人はもともと「セキニン」感が足りなかったのでしょうか・・・。(笑)


収集スタッフとともに


平成23年度1次隊チューク州 前川健一

ミクロネシア最高峰”ナーナ・ラウト”登頂

2013-02-15 11:33:25 | ポンペイ州
ポンペイ浜川です。

ミクロネシア連邦で一番大きな島、ポンペイ島。
火山の隆起によってできたポンペイ島は山らしい山がある。
その最高峰ナーナ・ラウト(ナーナ=山、ラウト=大きい)に登山をしてきた。

これは、ちょうど来ポンしている麗澤大学の学生のスタディーツアーの一部。
日頃お昼ご飯をお世話になっているsei restuarantのセイさんにお話を頂き、参加させて貰った。

学生7人、引率の教授、ポーターとしてローカルスタッフ10人ぐらいとともに登る。
熱帯雨林の山はとにかく湿度が高い。木の幹には苔がびっしりと繁茂している。


登山道はほとんど整備されていなく、日本の登山に比べるとかなりサバイバルな感じ。
左右切り立った崖のようになった細い尾根を進む。
崖にせり出た木の根を足場にしながら進む。
ヤシの葉は滑りやすく何度も足を取られる。
かなり険しい道と聞いていたが、思った以上に道なき道。



しかし、驚くべきことにそんな道をローカルスタッフは着の身着のまま、Tシャツ&ポンペイスカート、そしてサンダル、時には裸足!!
登山用に足元から装備を固めた日本人一向とは裏腹に彼らにとっては裏山に入って行くようなものなのだろう。
オジサンポーターもおばさんポーターも自分と日本人の荷物を持ちながらも疲れた表情も見せることなくどんどん進んでいく。
一方で、時には遅れをとったメンバーをサポートしながら優しくゆっくりも進んでいく。
ポンペイ人の強さと暖かさをとても感じる。


朝9時に登り始め、所々休憩をしながら山頂についたのは18時半。
お昼休みも入れて、3分の2ぐらいの時間を歩いた感じかな。
標高は900m程度。決して高くはないけれど、ポンペイの深い森の奥地に居ることを感じる。


夜は頂きのすぐ下のポイントにテントを設営。ローカルスタッフがヤシの葉と木をその場で調達し、あっという間に出来上がり。
ブッシュナイフを器用に使い、かれらは何でも作ってしまう。


山頂から眺める満天の星空は感動の一言!
見たことのない景色が広がる。

夜はものすごく寒く、タオルケット一枚だった自分は何度も起きた。
朝起きるとローカルスタッフのココナッツオイルが凍っていた。

復路は尾根線を進んだ往路とは違い、谷線に向かってどんどん下っていくショートカットコース。
7時間で戻ってこれた。

心地よい疲労感とともに達成感を感じる。


ポンペイ人が自然を熟知していること、自然の中で生きていることを感じた。
そして、ポンペイ人の強さと優しさを感じた登山だった。





小学校用の教材完成!!

2013-02-12 11:09:34 | コスラエ州
   こんにちは。コスラエ州KIRMA(資源管理委員会)配属の菊池です。
   本日、KIRMAに小学校を対象とした教材がJICAミクロネシアオフィスより届きました!

   この教材、実は完成までにとても時間がかかりました。
   企画されたのは一昨年のこと。私の前任者の方の時代からのプロジェクトです。
   当時のJICA廃棄物対策プロジェクト(J-PRISM)の専門家の方が主導となり始まりました。

   今回はコスラエ語バージョン、英語バージョン合わせて500部が出来上がりました。
   今後は小学校の先生を対象としたワークショップを開催し、教材の使用方法について
   レクチャーした後、実際に小学校の授業でこのブックレットを用いた環境授業をする予定です。
   
   また、本日よりJ-PRISMの専門家がコスラエにご来島されました。
   JCC会議(現地のパートナーとプロジェクトの進捗状況を確認する会議)
   が開催されるため約1週間滞在されます。
   教材の活用方法を含め、ご協力をお願いしたいと思います。

   コスラエ州資源管理委員会配属
   菊池あゆみ


   
   ↑届いたブックレット
   
   ↑教育部門スタッフのルテさんとJICA専門家の長谷山さん
   
   ↑コスラエ語バージョン

処分場見学ツアー@Lelu小学校

2013-02-05 13:31:58 | コスラエ州
  Len Wo!(こんにちは!)コスラエ州KIRMA(資源管理委員会)配属の菊池あゆみです。
 今日は1月22日に行われたLelu小学校の処分場見学ツアーについてお伝えします。

  Lelu小学校の6年生が理科の課外授業の一環として処分場へ来てくれました。
 まずはDT&I(処分場の管理をしている部署)の事務所で担当者の方のお話を聞きます。
 ゴミの処理方法や4Rについて学びます。(コスラエ語なので詳しくは分からず。。。)

 また、コスラエはミクロネシアで唯一!福岡式の埋立場を採用しています。
 日本の草の根資金協力で作られました。
 この福岡式というのは準好気性の処分場で、地中にパイプを通し新鮮な空気が届くようにしてあります。
 パイプから届く空気によりガスの発生などが抑えられます。
 ローコスト、ローテクノロジーの優れた日本発の技術です。

 この日は約1時間半ほどのプログラムでした。
 いまはLelu小学校でのみ実施されているプログラムですが今後コスラエ内の
 すべての小学校で取り入れてもらえるようPRしていきたいと思います。

 菊池あゆみ

 Len Wo!I am a JICA volunteer work for Kosrae Island Resource Management Authority (KIRMA).
Today,I would like to tell you about Landfill Site Tour for Lelu elementary school.

Jan.22,L.E.S(Lelu elementary school)6th grade students came to Landfill Site Tour as part of Science class.
They listened to instructions and discussions from a staff from the Department of Transportation & Infrastructure.
They learn about 4R's and Garbage disposal step.

And Kosrae Landfill Site innovates FUKUOKA Method.
Japan helped this landfill site.
FUKUOKA method is semiaerobic landfill.It is manageable in a low-cost way.

That tour took about 1 hour 30minutes.
Now,only L.E.S holds this program. But I would like to diffuse this program to other school.