こんにちは。いつの間にやらもう師走。忘年会のシーズンですね。八王子では先日、雪が降ったとかいう噂を伺いましたが、本当でしょうか。季節の変化というものがほとんどないミクロネシアに住んでいると、12月なのに暑いという感覚が不思議で仕方ない。どうしてもダラダラしがちですので、悪い意味での南国文化に染まらないよう、うまくメリハリをつけてやっていきたいものです。
1.11月のしごと
今月は、JICAやSPREP(太平洋地域環境計画事務所)によるイベント続きの1か月でした。8日までは、前号で紹介したJICA専門家とともに行動し、ワークショップで明らかとなった課題に対処するために、関係機関(病院、衛生局、議会など)を訪問しました。14~19日はコスラエ州へ出張し、全4州合同の廃棄物戦略策定会議に出席。21~25日にはSPREP専門家が派遣され、ワークショップが行われました。
そして何より大きな出来事は、“草の根・人間の安全保障無償資金協力”によるごみ収集車のチューク州への寄贈が、4日に外務省にて正式に承認されたことです。これを受け、収集車2台のうち1台を寄贈してくださる八王子市役所にて、15日に早速贈呈式が行われ、在日ミクロネシア大使も参加していただいたとの嬉しい知らせを受けました。
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この贈呈式に関しては、市の広報やホームページ、メールマガジンのほか、八王子テレメディアでも取り上げられたとのこと。
また、チューク州でも25日に締結式が行われ、州知事と日本大使が正式に書類に署名しました。こちらでも、2週間に1回発行している地元の新聞で取り上げられる予定です。
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これまで様々調整していただいた皆様に感謝申し上げるとともに、来年3月に到着する収集車を万全の態勢で迎えられるよう尽力してまいります。
(詳しくはこちら「ごみ収集車贈呈式 in Japan」、「ごみ収集車締結式 in Chuuk」)
2―1 国会議員とのミーティング
7日にチューク州選出の国会議員ロジャー・モリ氏とのミーティングがありました。
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この方は、廃棄物問題に関心があり、こうした会議は2回目とのこと。JICA専門家から、適切な廃棄物処理業務が行えるよう、組織体制の確立と財源確保についてのプランが提示され、議論しました。これらは今後も継続して話し合いがもたれます。
(詳しくはこちら「国会議員とのミーティング」)
2-2 廃棄物戦略策定会議
J-PRISM(大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト)に基づき、SPREPとJICAが共催した会議で、今後5年間の戦略を策定するための各州間の情報共有を主な目的としています。
1日目はミクロネシア4州の中で最もごみ処理システムが進んでいると言われるコスラエ州の現場を回りました。福岡方式が導入された埋立て場は、嫌な匂いもなくハエもいません。ちょうど小学生が社会科見学に来ていました。
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ごみ収集車は2年ほど前に寄贈されたものが、到着早々機械系に故障があり、まだ直せていないとのこと。やはり、メンテナンスが課題です。また、コスラエ州はパラオやヤップ州同様、デポジットシステムがあり、回収日だったこともあって当日は大盛況でした。
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(詳しくはこちら「コスラエ州におけるごみ処理」)
2・3日目は、各州における廃棄物戦略および具体的な取り組みについて共有したり、SPREPやJICAの専門家から廃棄物戦略を立てるにあたっての考え方や、他国での取り組みの紹介があった他、各州に分かれて様々なテーマについて話し合い、発表を行いました。
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海で隔てられているために全州が集まることが難しいこの国で、このような機会が設けられたことは、大変貴重です。
また、私もこれまで4州のJICAボランティアで話し合ってきた調査について、スタッフの協力を求めるために、英語での発表を少しだけ行いました。この調査については、改めて詳しく報告します。
(詳しくはこちら「廃棄物戦略策定会議 in コスラエ州」)
2-3 SPREPによるワークショップ
次の週に、SPREP専門家が引き続きチューク州に来られ、廃棄物戦略を完成させるために2日間のワークショップを開催しました。
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環境保護局、公共事業局のほか、短期大学や研究機関、NGO、法制局、保健局、警察などが来られ、約15名が参加してくれました。ビジョン、目標値、組織体制、財政、ごみ処理システム、3R、啓発活動など、専門家から出される様々なテーマについて、グループに分かれてディスカッションを行い、「現状」、「今後どうしていきたいか」、「誰がどのようにすれば達成することができるか」といった点をより具体的に明確にすることができました。
(詳しくはこちら「ワークショップ by SPREP」)
3.この1か月を振り返って
怒涛のように過ぎた1か月。忙しかったのは確かですが、そのおかげで多くのことを知ることができ、チューク州の現状をより深く理解することができました。これらの作業を通じて浮かび上がってきた課題は、ごみ収集システムの改善や埋立て場の改善、デポジットシステムの導入、住民への啓発などどれを取っても今すぐやるべき重要なものばかり。
これらに、私としてどのように取り組んでいくべきか悩みましたが、現在は八王子市役所での最後の1年間で深く関わらせていただいた「ごみ収集システムの改善」に集中して取り組んでいき、他の業務は同僚とうまく役割分担をしようと考えています。もしかしたら、ここチューク州でもごみ収集の有料化に関わることになるかもしれません。どこまでできるか挑戦してみます。
また、生活面の方は、こちらの人たちとのコミュニケーションの取り方や考え方などにも少しずつ慣れてきたこともあり、ストレスもあまり感じないようになってきました。少し前までは、ホストファミリーからのお願いなど、ちょっとしたことでイライラしてしまいましたが、今はそれらもある程度受け入れるか、自分の意見を言うことが出来るようになり、快適な生活を送っています。ようやくこちらでの生活に適応できてきたかなといったところです。
ただ、語学に関しては相変わらず。やろうとは思っても三日坊主になりがちですので、地道な努力を続けていきます。
それではまた。風邪には十分に気をつけていきましょう。
チューク州環境保護局 前川健一
1.11月のしごと
今月は、JICAやSPREP(太平洋地域環境計画事務所)によるイベント続きの1か月でした。8日までは、前号で紹介したJICA専門家とともに行動し、ワークショップで明らかとなった課題に対処するために、関係機関(病院、衛生局、議会など)を訪問しました。14~19日はコスラエ州へ出張し、全4州合同の廃棄物戦略策定会議に出席。21~25日にはSPREP専門家が派遣され、ワークショップが行われました。
そして何より大きな出来事は、“草の根・人間の安全保障無償資金協力”によるごみ収集車のチューク州への寄贈が、4日に外務省にて正式に承認されたことです。これを受け、収集車2台のうち1台を寄贈してくださる八王子市役所にて、15日に早速贈呈式が行われ、在日ミクロネシア大使も参加していただいたとの嬉しい知らせを受けました。
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この贈呈式に関しては、市の広報やホームページ、メールマガジンのほか、八王子テレメディアでも取り上げられたとのこと。
また、チューク州でも25日に締結式が行われ、州知事と日本大使が正式に書類に署名しました。こちらでも、2週間に1回発行している地元の新聞で取り上げられる予定です。
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これまで様々調整していただいた皆様に感謝申し上げるとともに、来年3月に到着する収集車を万全の態勢で迎えられるよう尽力してまいります。
(詳しくはこちら「ごみ収集車贈呈式 in Japan」、「ごみ収集車締結式 in Chuuk」)
2―1 国会議員とのミーティング
7日にチューク州選出の国会議員ロジャー・モリ氏とのミーティングがありました。
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この方は、廃棄物問題に関心があり、こうした会議は2回目とのこと。JICA専門家から、適切な廃棄物処理業務が行えるよう、組織体制の確立と財源確保についてのプランが提示され、議論しました。これらは今後も継続して話し合いがもたれます。
(詳しくはこちら「国会議員とのミーティング」)
2-2 廃棄物戦略策定会議
J-PRISM(大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト)に基づき、SPREPとJICAが共催した会議で、今後5年間の戦略を策定するための各州間の情報共有を主な目的としています。
1日目はミクロネシア4州の中で最もごみ処理システムが進んでいると言われるコスラエ州の現場を回りました。福岡方式が導入された埋立て場は、嫌な匂いもなくハエもいません。ちょうど小学生が社会科見学に来ていました。
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ごみ収集車は2年ほど前に寄贈されたものが、到着早々機械系に故障があり、まだ直せていないとのこと。やはり、メンテナンスが課題です。また、コスラエ州はパラオやヤップ州同様、デポジットシステムがあり、回収日だったこともあって当日は大盛況でした。
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2・3日目は、各州における廃棄物戦略および具体的な取り組みについて共有したり、SPREPやJICAの専門家から廃棄物戦略を立てるにあたっての考え方や、他国での取り組みの紹介があった他、各州に分かれて様々なテーマについて話し合い、発表を行いました。
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海で隔てられているために全州が集まることが難しいこの国で、このような機会が設けられたことは、大変貴重です。
また、私もこれまで4州のJICAボランティアで話し合ってきた調査について、スタッフの協力を求めるために、英語での発表を少しだけ行いました。この調査については、改めて詳しく報告します。
(詳しくはこちら「廃棄物戦略策定会議 in コスラエ州」)
2-3 SPREPによるワークショップ
次の週に、SPREP専門家が引き続きチューク州に来られ、廃棄物戦略を完成させるために2日間のワークショップを開催しました。
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環境保護局、公共事業局のほか、短期大学や研究機関、NGO、法制局、保健局、警察などが来られ、約15名が参加してくれました。ビジョン、目標値、組織体制、財政、ごみ処理システム、3R、啓発活動など、専門家から出される様々なテーマについて、グループに分かれてディスカッションを行い、「現状」、「今後どうしていきたいか」、「誰がどのようにすれば達成することができるか」といった点をより具体的に明確にすることができました。
(詳しくはこちら「ワークショップ by SPREP」)
3.この1か月を振り返って
怒涛のように過ぎた1か月。忙しかったのは確かですが、そのおかげで多くのことを知ることができ、チューク州の現状をより深く理解することができました。これらの作業を通じて浮かび上がってきた課題は、ごみ収集システムの改善や埋立て場の改善、デポジットシステムの導入、住民への啓発などどれを取っても今すぐやるべき重要なものばかり。
これらに、私としてどのように取り組んでいくべきか悩みましたが、現在は八王子市役所での最後の1年間で深く関わらせていただいた「ごみ収集システムの改善」に集中して取り組んでいき、他の業務は同僚とうまく役割分担をしようと考えています。もしかしたら、ここチューク州でもごみ収集の有料化に関わることになるかもしれません。どこまでできるか挑戦してみます。
また、生活面の方は、こちらの人たちとのコミュニケーションの取り方や考え方などにも少しずつ慣れてきたこともあり、ストレスもあまり感じないようになってきました。少し前までは、ホストファミリーからのお願いなど、ちょっとしたことでイライラしてしまいましたが、今はそれらもある程度受け入れるか、自分の意見を言うことが出来るようになり、快適な生活を送っています。ようやくこちらでの生活に適応できてきたかなといったところです。
ただ、語学に関しては相変わらず。やろうとは思っても三日坊主になりがちですので、地道な努力を続けていきます。
それではまた。風邪には十分に気をつけていきましょう。
チューク州環境保護局 前川健一