ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

2012年7月 首都での活動&短期大学との協働

2012-08-11 17:10:13 | チューク州
こんにちは。毎朝オリンピックのニュースが気になる今日この頃。テレビで日本のサッカーの試合が見れないことが何よりもどかしいことか。。。太平洋に浮かぶ小さな島から想いよ届けとばかりに応援しています。それでは今月も活動を報告していきます。

1.平成24年7月の活動
7月の頭から1週間は、3日間にわたる隊員総会と安全対策連絡協議会に参加するため、首都ポンペイにあがっていました。特に隊員総会では、今回幹事長を務めることとなっていたため、数か月前から事前の企画や準備で少し忙しい日々を送っていましたが、半年に一度のこの隊員総会で、他州隊員とも久々に会え、たくさんの刺激をもらってきました。

7月は地元の短期大学COMとも頻繁に連携した活動を行いました。



まず、10日にNukanエリアでのパイロットプロジェクトの一環として、家庭におけるコンポストの指導に来てもらいました。今後も継続して訪問してくれることになっています。



そして20日には、Mechitiw村でのCOM主催のワークショップに参加させてもらい、ごみ収集の現状を住民に伝えてきました。このように、パートナーとしてそれぞれお互いの活動の場に顔を出すことができました。(詳しくは「短期大学との協働~コンポスト、リサイクルクラフトなど」)



また、20日には、在ミクロネシア日本大使館より二等書記官が来られ、5月に寄贈していただいた2台の収集車両について情報交換を行いました。このとき撮影した写真は、日本大使館のHPや首都ポンペイ州で発行されている新聞にも掲載されました。
(「チューク州ウエノ島ごみ収集車引渡し式」大使館HP)


2.ポンペイでの隊員総会
 年に2回開催されるため、前回1月以来の隊員総会。

テーマ別分科会では、農業、教育、観光・歴史とありましたが、私は環境を選択。リーダーを務めてくれた幼児教育の先輩隊員が企画中の先生向けワークショップの内容を中心に話し合いを進めました。この隊員が作成した絵本がとても面白かった。ウミガメが海に漂うビニール袋を餌のクラゲと間違えて食べ、死んでしまうという実際にある事例を基にして作られたストーリー。これは使える!ということで、私もチュークに持ち帰り、小学校で読み聞かせを行うことを計画中です。



また、最近ポンペイで始まったデポジットシステムの視察にリサイクルセンターまで行ってきました。始まったばかりということもあり、すごい活況。これで現在デポジットシステムを行っていないのはミクロネシア4州の中でチュークだけとなってしまいました。。。



 また、活動報告会では他隊員の活動状況が聞けた他、私達環境系隊員の連携事例として、埋立て場での搬入量調査を行ったJ-AWARE2についても発表の場が与えられました。



ちなみに、総会前日にも、環境保護局の上位機関にあたる連邦政府のOEEMにこのJ-AWARE2の報告を活動状況の共有を行っています。

さらに、州別報告会では、前回作成したアクションプランの進捗状況を報告し合い、次回総会に向けて新たなアクションプランを作成しました。

 半年に一度開催される隊員総会は私にとって今回が3度目。今回は幹事長を務めたこともあり、企画や連絡調整・意見のとりまとめなど、他州にいる幹事とメールでのやり取りを頻繁に行ったため、これまでと比べかなり大変でしたが、その分思い入れの深いものとなりました。1月に行われる予定の次回が最後となると思うと、何だか早くも帰国に向けてカウントダウンが始まっているのだなと考えてしまいました。(詳しくは「首都での活動~隊員総会と連邦政府訪問」)


3.ホーンコレクションの経過
 6月の開始当初は収集件数が少なく正直焦りましたが、以降は予想通り(?)順調に進んでいるホーンコレクション。私の配属先の環境保護局に最近雇われた環境教育専門のスタッフが、ラジオ局に頻繁に出向きアナウンスをしているのも、収集件数が増えた理由の一つのようです。テレビや新聞がないに等しいここチュークでは、ラジオは有力な広報手段なのです。



 そしてこれまでNukanエリア約60世帯を対象に収集を行ってきましたが、約80世帯のSaponongエリアに広げるため、25日に前回同様ワークショップを行いました。環境保護局の新スタッフが私の英語をチューク語に翻訳してくれた他、COMからもリサイクルクラフトの紹介が。中身がプラスチックごみで構成された枕や、缶のプルタブをつなげて作った髪飾りなどがありました。発想がとても面白い。



そうして翌日26日から収集エリアを拡大したこともあり、7月までの収集件数も順調に伸びています。



8月にMwan村の中で唯一残されたSapouエリアにまで収集を広げ、その後は他の村へと広げていく予定です。



ただ、クラクションを鳴らしての収集は今後住民の苦情を招くことも予想されるため、現在JICAに対してスピーカーとカーステレオの購入を申請中。これが承認されればチューク人の大好きな音楽を流しながらのミュージックコレクションが出来るようになります。




4.この1か月を振り返って
隊員総会という大きなイベントが終わり、ほっと一息。2年目の1か月も早々と終わってしまいました。
ホーンコレクションでは、月曜と木曜の週2回の同じエリアでの収集に私も毎回付いていっているため、住民にも顔を覚えられるようになりました。私はいつもチューク語でごみを意味する「カーピッチ、カーピッチ」と声かけながら歩いているため、子どもたちも私の顔を見ると、「カーピッチ、カーピッチ」と声をかけてくれます。作業員の人たちも収集件数が順調に伸びていることに喜びを感じてくれ、新記録を更新すると「やったぜ!」とほんと嬉しそうに一緒に微笑んでくれます。

なお、こちらの会計年度は9月終わりのため、10月の新年度早々に収集に必要なアイテムや、車両のメンテナンスに必要なものを購入するよう待ち望んでいるのですが、頼みにしているアメリカからの援助(コンパクトマネー)が新年度はかなり縮小されるようで、収集に必要な燃料代も怪しいとの噂が。。。どちらにせよ、このアメリカからの援助は2023年までに打ち切られることになっており、徐々にその規模も縮められていくことから、何らかの費用確保を検討していく必要があります。ごみ収集を有料化とし指定収集袋を作成するか、缶のデポジットシステムから財源を調達するかなど、いくつかやり方はあるので、これらを検討するために私の方でも資料集めを行っていくつもりです。

また、赴任から一年が経ちましたので、JICAへ第3号報告書を作成中です。現在のところ、活動計画は概ね順調に進んでいますが、病院や民間セクターへの訪問など、新たな活動もなるべく早い段階で実行していきます。残すところあと11カ月、もう一度エンジン掛け直して突き進んでいきます!それではまた。



平成23年度1次隊チューク州 前川健一