2014年3月第2週。今回からテーマがごみからシフト。3回にわたり「水」について学んでいく。
勤務先であるEPAは水質の検査室を持ち、ポンペイの水道水、淡水、海水について水質検査を行い住民に周知していく義務がある。今回メンバーはEPAを訪れた。
当初お願いしていたスクールバスが時間になって来ず、オオミネ小のメンバーは歩いて向かうことに。
ラボラトリーは大きくないので、人数を半分に分け、一つのグループはラボラトリーへ、残りのグループは会議室へ。
ラボラトリーでは、水質検査官が前日にそれぞれの小学校の横を流れる川の水をサンプリングし、水質を検査してくれていた。そして、子どもたちに検査の方法を簡単に説明していく。
水質検査方法はアメリカ環境保護局の指導の下、基準に準拠しており、試薬、設備などもアメリカと同じものを使用している。簡単に検査方法を紹介すると、100mlのサンプルに試薬を入れ、所定の温度下で所定の時間、静置する。この間水に含まれるバクテリアが増殖し、試薬と反応したバクテリアに紫外線を当てることで汚染具合を目視することができる。
UVライトが照射されたサンプルを覗きこむジェイリーン先生。川の水は汚染されていることを目視する。
会議室では啓発部門のカウンターパートが水に関するプレゼンテーションをしてくれた。
ポンペイの水の汚染源として最も問題なのが豚小屋である。伝統的に最も重要なもの。それは豚。ヤムイモ、サカオ、豚を揃えたとき、「男」になると言われる。村の祭り、冠婚葬祭では必ず豚が絞められ、献上される。人口の増加に伴い豚小屋の数も増えており、法令では水源から豚小屋を15m以上離すこともしくはタンクを設け、し尿の混じった汚染水を管理することが義務付けられている。しかし、敷地の関係、経済的な問題からどちらの対策も講じられることがないのが現状だ。そして法律ができたのもここ15年ほどの話。伝統的な生活を続けてきているポンペイ人にとっては迷惑千万な話で、実際EPAスタッフが巡回指導に回って、説明しても聞き入れてもらえないことも多いらしい。法律違反という形で裁判になるケースはほとんどないらしく、指導はするが罰しないというのが現状のようだ。みなが家族のようなポンペイ社会の中では、四角四面に法律やルールで規制することよりも人間関係に基づいた伝統的な村社会のやり方で丸く収める方が現実的である。
さて、話がそれたがカウンターパートは2013年に行ったポンペイ島の主要河川の水質調査の結果を伝えた。ラボでは水の汚染度について飲料レベルと日常生活での使用レベルの二つで安全基準を示している。飲料レベルは100ml中にバクテリアが全くいない状態、日常生活レベルでは100ml中にバクテリアが576個体までが許容される。2013年の調査では41河川中13河川のみが日常生活レベルをクリアという結果であった。商業都市コロニア以外の地区では川の水が生活用水となっているため、この結果はポンペイ人にとってかなり深刻な結果である。水質検査官がサンプリングした小学校の横の河川もひどく汚染されている。先生たちが子どもだった30,40年前はコロニアでも川で普通に川で泳いでいたらしく、汚染は進んでいる状況にある。
水色:日常生活に適する 赤色;日常生活に不適
今回は水質検査の方法とポンペイ島の河川の汚染状況について学んだ。
次回は水を汚染しないための具体的な方法を学んでいく。
24年度2次隊 浜川喬弘
勤務先であるEPAは水質の検査室を持ち、ポンペイの水道水、淡水、海水について水質検査を行い住民に周知していく義務がある。今回メンバーはEPAを訪れた。
当初お願いしていたスクールバスが時間になって来ず、オオミネ小のメンバーは歩いて向かうことに。
ラボラトリーは大きくないので、人数を半分に分け、一つのグループはラボラトリーへ、残りのグループは会議室へ。
ラボラトリーでは、水質検査官が前日にそれぞれの小学校の横を流れる川の水をサンプリングし、水質を検査してくれていた。そして、子どもたちに検査の方法を簡単に説明していく。
水質検査方法はアメリカ環境保護局の指導の下、基準に準拠しており、試薬、設備などもアメリカと同じものを使用している。簡単に検査方法を紹介すると、100mlのサンプルに試薬を入れ、所定の温度下で所定の時間、静置する。この間水に含まれるバクテリアが増殖し、試薬と反応したバクテリアに紫外線を当てることで汚染具合を目視することができる。
UVライトが照射されたサンプルを覗きこむジェイリーン先生。川の水は汚染されていることを目視する。
会議室では啓発部門のカウンターパートが水に関するプレゼンテーションをしてくれた。
ポンペイの水の汚染源として最も問題なのが豚小屋である。伝統的に最も重要なもの。それは豚。ヤムイモ、サカオ、豚を揃えたとき、「男」になると言われる。村の祭り、冠婚葬祭では必ず豚が絞められ、献上される。人口の増加に伴い豚小屋の数も増えており、法令では水源から豚小屋を15m以上離すこともしくはタンクを設け、し尿の混じった汚染水を管理することが義務付けられている。しかし、敷地の関係、経済的な問題からどちらの対策も講じられることがないのが現状だ。そして法律ができたのもここ15年ほどの話。伝統的な生活を続けてきているポンペイ人にとっては迷惑千万な話で、実際EPAスタッフが巡回指導に回って、説明しても聞き入れてもらえないことも多いらしい。法律違反という形で裁判になるケースはほとんどないらしく、指導はするが罰しないというのが現状のようだ。みなが家族のようなポンペイ社会の中では、四角四面に法律やルールで規制することよりも人間関係に基づいた伝統的な村社会のやり方で丸く収める方が現実的である。
さて、話がそれたがカウンターパートは2013年に行ったポンペイ島の主要河川の水質調査の結果を伝えた。ラボでは水の汚染度について飲料レベルと日常生活での使用レベルの二つで安全基準を示している。飲料レベルは100ml中にバクテリアが全くいない状態、日常生活レベルでは100ml中にバクテリアが576個体までが許容される。2013年の調査では41河川中13河川のみが日常生活レベルをクリアという結果であった。商業都市コロニア以外の地区では川の水が生活用水となっているため、この結果はポンペイ人にとってかなり深刻な結果である。水質検査官がサンプリングした小学校の横の河川もひどく汚染されている。先生たちが子どもだった30,40年前はコロニアでも川で普通に川で泳いでいたらしく、汚染は進んでいる状況にある。
水色:日常生活に適する 赤色;日常生活に不適
今回は水質検査の方法とポンペイ島の河川の汚染状況について学んだ。
次回は水を汚染しないための具体的な方法を学んでいく。
24年度2次隊 浜川喬弘