ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

イベント時のゴミの現状

2011-09-07 04:47:16 | コスラエ州


コスラエ州では9/8のLiberation Day の週にカヌーレース、運動会、ローカルフードのフェアが各自治体で毎年行なわれています。私はLelu地区に住んでいる為、ホストファミリーと共にLeluでの上記3つのイベントに参加しました。


運動会の会場に到着した時はもうこのようなゴミの散乱状況でした。特に昼食時にプラスチック系のゴミが大量にグラウンドに散乱する状況で、カヌー大会時は海にもプラスチックゴミが投げ込まれます。


コスラエアンはここにある自然の産物を用いて物を作ったり使ったりする事は非常に優れています。しかしその反面、プラスチック等、船で入ってくる輸入品の扱いは非常に粗末で、どこでもポイポイ投げ捨てています。日本と比べて物が少ないコスラエなのですが、その少ないものを大事に利用しようという習慣は全くなく、今回の運動会でもコスラエアンにとって高価であるはずの卵を投げあうゲームもありました。日本人の方がよっぽど物を大切に扱っています。


この運動会とカヌーレースにおいてはイベントの主催者にお願いして私からグラウンドや海へのゴミのポイ捨てをやめるようにという警告をマイクを使ってコスラエ語で会場にいるコスラエアンにスピーチをしました。また共にイベントに参加していた村山隊員(平成22年度4次隊 観光業)と協力してゴミ箱の設置も行ないました。多少はポイ捨ても減りましたが、呼びかけの効果はほとんどなしでした。

この原因としてゴミ箱が足りない、またコスラエアンがゴミをゴミ箱に入れる習慣があまりないという事だと推測されます。またイベント終了後にコスラエアンにゴミ拾いを呼びかけまして、ゴミを拾うコスラエアンの多くの人がプラスチックよりも緑のゴミを優先的に拾ってゴミ箱に入れようとしている事です。葉や枝などのグリーン系廃棄物は分解性廃棄物で自然にそのまま返るため、特に拾う必要はありません。その事が分かっていないコスラエアンが多く、このゴミ拾い時に「緑のゴミはゴミ箱に入れなくていい」という事も話しました。

コスラエの人々は昔、この島特有の産物を利用して生活していました。食べ物のゴミや自然にあるものはそのままポイポイ投げ捨てていました。こちらの人はよく物を投げ捨てる習慣があります。自然の産物のみを利用している時は自然に返る為それでよかったのですが、プラスチック等の輸入品がたくさん入ってきても同じようにどこへでも投げ捨てています。そういう習慣があり、イベント時もこのような結果になります。

昨年「草の根無償資金援助計画」の第二期事業で在ミクロネシア日本大使館より290個のゴミ箱が提供され、Lelu小学校にも数個提供されていましたが、下記の写真の通り有効活用されておりません。またコスラエアンは援助慣れしていて自分達でなんとかしようという気が全くなく、今回のイベント前でも「JICAでゴミ袋買ってくれないのか?」という態度です。


今後は11月に各村にて廃棄物管理に関するワークショップを開催する事を現在配属先のKIRMAに提案しており、実現に向けての準備中です。グリーン系廃棄物はゴミ箱に入れる必要はない等の分別啓発も行う予定です。また11月にはコスラエ高校の運動場にてスポーツフェスティバルも開催予定で、この時に同様に廃棄物が大量発生しポイ捨てが予想されるので、この日本より提供されたゴミ箱を的確に配置してポイ捨て防止を考えています。



平成21年度3次隊 コスラエ州 柏原 庸一