トフォール埋立場第一浸出液池とレラ小学生の環境教育(埋立場現場説明・見学)
この池の水(浸出液)を水中ポンプで汲み上げ、埋立場内に散布する計画
浸出液の有機成分は埋立場ごみ層で濾過・分解・浄化され池に戻る
「浸出液循環システム」
この池の水(浸出液)を水中ポンプで汲み上げ、埋立場内に散布する計画
浸出液の有機成分は埋立場ごみ層で濾過・分解・浄化され池に戻る
「浸出液循環システム」
Hello everybody, my name is Atsushi Noba Sakane. “Noba” is my Kosraean Name.
埋立場改善提案5項目の内一つである「浸出液循環システム」の導入を図った。
5項目とは:
1. 「浸出液循環システム」の導入
2. 浸出池中の有機物除去の為「水草」を育成する
3. 埋立場排気筒に「目盛」を入れ既投入量および残り埋立場寿命が分かるようにする
4. 「こみ計量器」の設置
5. 「洗車装置」の設置
2012年8月にこれらの埋立場改善提案をして以降、項目2、4は実現したが、項目1、3、5はまだ実現していなかった。
本システムは、浸出液水質が悪くなった時の対策。現状は、第一浸出液池で自然沈殿処理し、上澄み液を第二浸出液池に送る。第二浸出液池でも同様に自然沈殿処理し、上澄み液をマングローブ林に放流している。もし、第一浸出液池の水質が悪化した場合、現状では対処方法がないが、本「浸出液循環システム」は、浸出液を埋立場に散布し、そのごみ層により濾過・分解を促し、浄化するもの。但し、月1回のCOD及びpH測定結果では、COD平均30~40ppm、pH平均8。但し、スポットではCODが100ppmになったこともあった。
コスラエ州の排水基準は無いが、参考として日本の排水基準は、COD:160ppm(日平均120ppm)、pH:5.8~8.6(海域:5.0~9.0)。日本の埋立処分場排水基準は、COD:90ppm、pH:5.8~8.6(海域:5.0~9.0)である。コスラエ州トフォール埋立場の浸出液水質が悪くないのは、(1)雨量が非常に多い(年間5,000mm)、(2)有機性のごみが少ない(プラスチックが多い、食品残渣は豚等家畜のえさ)為と思われる。
配属先のカウンターパートが2013年6月ポンペイで開催されたJ-PRISM主催の福岡式埋立場研修に参加し、コスラエに帰るや否や、浸出液循環システムを直ぐに設置しようと意気込んで提案してきた。研修の一つは、ポンペイ州の埋立場の一部を福岡式(準好気性)に改造する内容で、浸出液循環システムを採用しており、かなり刺激を受けてきたようで、コスラエ州トフォール埋立場のごみ層が今のレベル(排気筒基礎上部)にある間に是非設置するべき、と強く主張してきた。こちらとしても埋立場改善提案はしたものの、配属先が必要性を感じて動かなければ意味がないと思い、改善項目に関しては配属先の反応待ちであったので、カウンターパートの提案に直ぐに答えることにした。
実は、2012年8月の提案時点で公共事業局長からポンプ仕様を求められたので、資料は取り寄せ提出していた。現場が埋立場内にあるので、電動よりエンジン駆動水中ポンプが便利とのJICA長谷山専門家のアイデアを頂き計画していた。早速去年の資料を取り出し、カウウターパートと具体化の相談。
先ずは予算;ポンプ見積書取寄せ、配管工事見積、現地荷受・運送費用、関税、送金銀行手数料・・・の援助金を探す。カウンターパートと一緒に財務部・オーストラリアODA担当者に相談、結果、ニュージーランドODAを申請することにした。今回はカウンターパートが作成した申請書を私がレビュー、局長の承認・サインをもらって、7月申請・8月承認(早い!)、援助金額US$2,381.-。トラックスケール(援助金額US$11,398.-)に続き2件目のニュージーランドODAプロジェクトとなったが、主体が公共事業局・カウンターパートになったことに意義があると思う。自分たちが必要と思うものを自分たちで技術的・財務的な検討をし、プロジェクトを実現させる手法がようやく理解されたと感じた。カウンターパートは思いがけずトラックスケール承認時点の支払いの遅さにも言及し、私と一緒にコスラエ州内の経理処理の問題点を財務局に相談に行った。結論は、法律にのっとった処理が必要で時間がかかるとの説明だが、それ以外の理由での遅延も多いことが分かり、カウンターパートが「問題」と感じたこと自体が大きな前進と思っている。本件も現在コスラエ州内経理処理中。