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遠足
一休和尚の逸話( いつわ:エピソード ) を一つ。
あるとき 一休さんが家の前に鉢植えを一つ 出しておきました。
それには 松の木が一本 植わっていました。
その木は 曲りくねっていました。
ところが 一休さんはその植木鉢の横に
「 この松の木をまっすぐにみた人には 褒美(ほうび)をあげます 」
という 小さな立札をさげました。
家の前の通りには 人がきができました。
みな 一生懸命 松の木をまっすぐにみようとしました。
ある人は上から見おろし 別の人は後ろにまわってみました。
また ある人は 少し離れたところから 手をかざしてみました。
しかし だれの目にも ・・・ 松の木は まっすぐにはみえませんでした。
そのあとも なん人かの通行人が立ちどまって
腕ぐみをして 松の木をみつづけましたが ・・・ ダメでした。
夕方近くになってから ひとりの旅人がやってきました。
松の木をみるなり 「 この木は ほんとうによく曲がっているなあ 」
と 感心して いいました。
それをきいた一休さんは、家の中から、とび出してきて
その男の人に ・・・ 褒美を どっさりあげた ・・・ とさ。
一休和尚は とうとう その目がゆがんでいない人間(ひと)に会えたのですね。
めでたし、めでたし ・・・
それにつけても 放射能で汚染されたわがふるさと ・・・ にありそうな話ですな~。