回顧
坐禅には 特別むずかしいことは ・・・ なにもないし
まして 神秘的なことなど ・・・ すこしもありません。
だから やろうと思えば
だれにでも どこででも すぐに ・・・ できます。
「 只管打坐 」 といいます。
ただ坐るだけ
ひたすら坐るだけです。
「 坐 」 という字は
土の上に 人間が二人向き合っています。
「 坐る 」 とは
土の上に 人間が腰をつけてじっとしていることです。
坐禅は 一人で坐ります。
一人で坐り ・・・ 自分自身と向き合います。
この場合 土の上に腰をおろす
という意味あいをもった 「 坐 」 という字は
・・・ 含蓄がありますね。
大地に腰をおろすとは
つまり ・・・ 自然と一体になることです。
大地の上に ・・・ まっすぐ背骨をのばすことです。
人間の体の中の脊梁骨 ( せきりょうこつ ) が
・・・ 天と地をまっすぐにつらぬきます。
自然と一体になるには ・・・ この姿勢がいちばんいいのです。
あくまでも 背骨をまっすぐにのばすことが基本です。
いきいきとした坐禅の姿勢には ・・・ どこにも無理がありません。
春風のようにのんびりしているようでありながら
・・・ おかしがたい威厳があります。
・・・ 隙のない堂々たる姿があります。
・・・ 天地を貫く一本の脊梁骨のみです。
これを中心に 心も体も一つであり
豊かな息づかいを
ゆっくり静かに吸い込み 吐き出す ・・・ 繰り返し ・・・
新しい自然な意気が蓄えられてきます。
極妙至極の新しい力が湧き出てきます。