《輪旅その1 信州・乙見山峠を越える!!》
乙見山峠(1520m)を知ったのは、今から35年ほど前、ニューサイクリング誌の紀行文からであったように思う。その内容は忘れたが、峠名だけは覚えていた。
50代の半ば、この年になって、その峠を訪れることができたことにある種の感動を覚えた。願っていれば、いつかは実現すると。
木曜の夜に岐阜を車で発ち、ひたすら一般道の国道19号を長野に向けて走る。ガゾリンがリッター180円では、遠出もままならない。高速代を削って下道を走る。
豊科より高瀬川沿いのオリンピック道路に入り、白馬を目指す。小谷村中土駅に着いたのは午前1時。同行のH氏と駅前で仮眠を取る。
6時30分、姫川に沿って走り始め、橋を渡って小谷温泉を目指す。信州らしい田舎の風景が続く中谷川に沿った道は、徐々に高度を上げて行く。
道が大きくS字を描いて山の斜面に上がって行くところに小谷温泉はあった。「山田旅館」木造三階建ての建物は古く、今も湯治場の雰囲気が色濃い。玄関の表札には「北安曇郡中土村一万八千八百三十六番地」とあった。
お湯は高温で透明、打たせ湯が気持ち良かったような・・・昔、雨飾山の登山の後で入った記憶がある。これから自転車で峠を越えるため、お湯に入るのはあきらめた。
雨飾荘を過ぎ、少し上がると妙高への分岐点へと出た。いよいよであるが、それほど道の勾配はきつくなく、ノンビリと、ジワジワと高度を稼いでゆく。
車の通行はほとんどなく、大自然だけがたっぷりとある。何の制約もなく、自由気侭に走れるところが自転車旅の魅力である。上りの辛さも忘れてひたすらペダルを漕ぐ。
途中、金山、天狗原山への登山口があった。以前、山スキーで訪れた焼山の隣に金山がそびえ、いつかは登ってみたいと思っていた山である。
しばらくすると、谷を隔てた稜線上部に道らしきものが見えてきた。ひょっとすると、あれが峠・・・まだ、かなりの標高差があって気が滅入ってくる。
沢を渡り、大きく右にカーブした辺りより道はダートとなった。いよいよ本格的な峠越えツーリングの始まり、道端に雪渓が残っていたのには驚いた。
峠着9時30分、まあまあのペースで上れたようだ。写真で見慣れたトンネルが目の前に現れてほっとする。振り返れば百名山の雨飾山(1963m)が大きく屹立していた。
乙見隧道(トンネル)を抜け、新潟県へ入る。道は相変わらずのダートで、700×28Cのスリックタイヤで来たことを悔やむ。同行のH氏はMTBのブロックタイヤで、快調に下っていった。
途中、正面に乙見湖が。左に妙高山のなだらかな稜線が眺められる場所があった。その周りには笹ヶ峰高原の広大な樹林が広がっていて、気分のよい場所であった。
やや上り返しながら樹林帯のダートを快走する。こんな場所ばかりであれば自転車旅は楽しくて仕方ない。しばし幸福感を味わう。
笹ヶ峰牧場の近くへ出れば、人の気配が多くなり、下界に下りてきた感がする。道は舗装路に・・・眼下に広がる牧場を眺めながらダウンヒルを楽しむ。道は杉ノ原スキー場辺りより急激に高度を下げるため、スピードがぐんとアップする。強烈なブレーキングのため、リムが凄い熱を帯びていた。
杉野沢で右折し、黒姫を目指す。ここで群馬のS氏と連絡を取る。あちらはクラブの行事で渋峠を目指しているようだ。お互いの健闘を誓う。
黒姫高原でブルーベリーのソフトを味わい、黒姫駅より県道37号(長野信濃線)にて長野市内へ向かう。高台より見下ろす牟礼の田舎風景が雄大であった。
今日の宿泊は長野市内、最後の峠となる坂中峠を越える。持参した地図が古いため、トンネルがあることに気づかずに旧道を上ってしまった。
ここで雷雨に遭う。しばらくは木立の下で雨宿りをしたが、あまりの降りに我慢できず、ポンチョを着込んで下り始めた。雨は途中で止み、長野市内へ入る頃には晴れていた。
七夕飾りの下を通って長野駅前へ出、その後に宿となる「あすなろ」へ入った。
アバウトなコースマップ
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=7dc0153f9087508c174d50874702e62b
乙見山峠(1520m)を知ったのは、今から35年ほど前、ニューサイクリング誌の紀行文からであったように思う。その内容は忘れたが、峠名だけは覚えていた。
50代の半ば、この年になって、その峠を訪れることができたことにある種の感動を覚えた。願っていれば、いつかは実現すると。
木曜の夜に岐阜を車で発ち、ひたすら一般道の国道19号を長野に向けて走る。ガゾリンがリッター180円では、遠出もままならない。高速代を削って下道を走る。
豊科より高瀬川沿いのオリンピック道路に入り、白馬を目指す。小谷村中土駅に着いたのは午前1時。同行のH氏と駅前で仮眠を取る。
6時30分、姫川に沿って走り始め、橋を渡って小谷温泉を目指す。信州らしい田舎の風景が続く中谷川に沿った道は、徐々に高度を上げて行く。
道が大きくS字を描いて山の斜面に上がって行くところに小谷温泉はあった。「山田旅館」木造三階建ての建物は古く、今も湯治場の雰囲気が色濃い。玄関の表札には「北安曇郡中土村一万八千八百三十六番地」とあった。
お湯は高温で透明、打たせ湯が気持ち良かったような・・・昔、雨飾山の登山の後で入った記憶がある。これから自転車で峠を越えるため、お湯に入るのはあきらめた。
雨飾荘を過ぎ、少し上がると妙高への分岐点へと出た。いよいよであるが、それほど道の勾配はきつくなく、ノンビリと、ジワジワと高度を稼いでゆく。
車の通行はほとんどなく、大自然だけがたっぷりとある。何の制約もなく、自由気侭に走れるところが自転車旅の魅力である。上りの辛さも忘れてひたすらペダルを漕ぐ。
途中、金山、天狗原山への登山口があった。以前、山スキーで訪れた焼山の隣に金山がそびえ、いつかは登ってみたいと思っていた山である。
しばらくすると、谷を隔てた稜線上部に道らしきものが見えてきた。ひょっとすると、あれが峠・・・まだ、かなりの標高差があって気が滅入ってくる。
沢を渡り、大きく右にカーブした辺りより道はダートとなった。いよいよ本格的な峠越えツーリングの始まり、道端に雪渓が残っていたのには驚いた。
峠着9時30分、まあまあのペースで上れたようだ。写真で見慣れたトンネルが目の前に現れてほっとする。振り返れば百名山の雨飾山(1963m)が大きく屹立していた。
乙見隧道(トンネル)を抜け、新潟県へ入る。道は相変わらずのダートで、700×28Cのスリックタイヤで来たことを悔やむ。同行のH氏はMTBのブロックタイヤで、快調に下っていった。
途中、正面に乙見湖が。左に妙高山のなだらかな稜線が眺められる場所があった。その周りには笹ヶ峰高原の広大な樹林が広がっていて、気分のよい場所であった。
やや上り返しながら樹林帯のダートを快走する。こんな場所ばかりであれば自転車旅は楽しくて仕方ない。しばし幸福感を味わう。
笹ヶ峰牧場の近くへ出れば、人の気配が多くなり、下界に下りてきた感がする。道は舗装路に・・・眼下に広がる牧場を眺めながらダウンヒルを楽しむ。道は杉ノ原スキー場辺りより急激に高度を下げるため、スピードがぐんとアップする。強烈なブレーキングのため、リムが凄い熱を帯びていた。
杉野沢で右折し、黒姫を目指す。ここで群馬のS氏と連絡を取る。あちらはクラブの行事で渋峠を目指しているようだ。お互いの健闘を誓う。
黒姫高原でブルーベリーのソフトを味わい、黒姫駅より県道37号(長野信濃線)にて長野市内へ向かう。高台より見下ろす牟礼の田舎風景が雄大であった。
今日の宿泊は長野市内、最後の峠となる坂中峠を越える。持参した地図が古いため、トンネルがあることに気づかずに旧道を上ってしまった。
ここで雷雨に遭う。しばらくは木立の下で雨宿りをしたが、あまりの降りに我慢できず、ポンチョを着込んで下り始めた。雨は途中で止み、長野市内へ入る頃には晴れていた。
七夕飾りの下を通って長野駅前へ出、その後に宿となる「あすなろ」へ入った。
アバウトなコースマップ
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=7dc0153f9087508c174d50874702e62b